小さい頃から英語教育をしているから、ウチの子は大丈夫!となっていませんか?幼児の英語教育の意外な落とし穴について、株式会社ブルーフレイム 子ども英語講師・カリキュラムコーディネーターの吉留明子さんに二回に分けてお伺いしました。
子どもの頃から英語教育をしっかりやれば、きちんと身につくの?
幼少期の英語教育というとどのようなものを思い浮かべられるでしょうか?
おうち英語、インターナショナル幼稚園、英語教材、オンライン英会話など、さまざまな形態があります。だからこそ、お子さまの英語教育を真剣に考えている保護者ほど、英語教育に関する迷いが出てきますよね。
私はオールイングリッシュの幼稚園で講師として10年、延べ人数にして400人以上のお子さんを指導し、その親御さんと関わってきました。その経験を元にお話をさせていただきます。
まずお子さんの早期英語教育をお考えになる時に、メリットとして頭に浮かぶものは何でしょう?
一般的によく挙げられるのは下記2つです。
(1)幼少期に英語環境に身をおけば、自然と苦労せずに英語を身につけることができる
(2)幼少期に英語をやっておけば、後々英語で苦労することがなくなる
実はどちらも、そう簡単な話ではありません。

幼少期に英語を学んでも、英語を身につけるのには努力が必要で、且つ英語が一旦身に付いても、後々英語で苦労することはいくらでもあります。
英語が学べる理想的な環境だと身に付きやすい?
どういうことか。私の勤務していた幼稚園は、まさに英語の早期教育のための施設でした。 園児は年少前の2歳児から年長の6歳児まで。1クラスの定員は10名。講師はネイティブと日本人バイリンガルが半々。
園児は日本人がほとんど。毎年各クラスに1、2名スリランカ、フィリピン、ペルー、稀に英語ネイティブのお子さんがいました。 まさに「日本人のお子さんに英語を身につけさせる」を目的とした幼稚園です。
徹底していたのが、園の敷地内に一歩入った時から「日本語は一切禁止!」という決まりです。 日本人講師であっても、子どもたちには英語のみで接します。 なので、子どもたちは入園した瞬間から英語だけの環境に身をおくことになります。
この幼稚園の子どもたちが、卒園する時にどのくらいの英語力を身につけているか気になりますよね。園児たちは、園での生活におけるやりとりはすべて英語でコミュニケーションがとれ、週末や昨日の出来事やそれによって感じたことを講師やお友達とシェアできて、英語で将来の夢を発表することができ、年齢相応の英語ネイティブの子どもたちと同じレベルのテキストブックや絵本が読めるレベルにまでなります。
わかりやすい目安として文科省のカリキュラムと比較しましょう。日本の英語教育では、中学卒業時に英検3級レベルといわれています。この幼稚園では、卒園前に英検4級から3級に合格するお子さんがいたので、年長のお子さんで日本の中学2・3年生程度の英語力が身についていることになります。
これだけ聞いていると、
「じゃあやっぱり、幼少期から英語教育を始めた方がいいんだー!」とお思いになるのではないでしょうか。
実はそこが、多くの親御さんが勘違いされているところなのです。