子どもにおすすめな習い事はある?東大医学部出身、銀座アイグラッドクリニック院長乾先生に伺いました!

お医者さんに質問!幼少期の習い事や好きだったもの・ハマったもの。
今回は医療法人社団創雅会 銀座アイグラッドクリニック理事長兼院長の、乾雅人先生にお伺いしました。



はじめに

本当に良い教育とは、即時的に価値が分かるものではありません。
数年、数十年が経過して、受けた教育の価値が分かるといわれています。
この文脈において、幼少時に経験した習い事だけで教育が完成する訳ではありませんが、それでも、受けてきた教育の方向性を「見える化」する強力なツールだと思います。
今回は、私の個人的な実体験をご紹介します。

幼少時の習い事

一通りのことは機会を与えられました。体操、水泳は幼稚園時代はずっと。
小学生になってからは、他の運動をしていました。
基本的に、スポーツ全般が好きでした。サッカー部に所属はしたことがなかったのですが、父親がサッカー部出身で良く遊んでいました。
後に、西医体(医学部リーグの全国大会)優勝時代の主将であったことを知ります。
京都大学サッカー部が西医体で優勝するのは異例であり、恐らく父親もスポーツに馴染みが深かったのでしょう。
尚、私は現在、多い時は週2回フットサルを個人参加で行い、楽しめている方だと思います。
ピアノは幼少時から高校1年生まで続けました。高校1年生時代に、週6回の柔道部練習があり、流石に辞めました。
他、趣味としていた将棋は、中学代表として朝日新聞社大会に出場もしました。
囲碁やオセロも、友人づきあいで多少。そして、その仲間とはカードゲームも嗜みました。トレーディングカード(MTG)という世界的に有名なゲームです。
後、東大医学部の同級生に、世界選手権出場者と遭遇します。交流の幅は、極力、広くするようにしてきました。

やって良かったこと

体操やサッカーでしょうか。
他にも、遊び程度で、野球やバレー、バトミントンなど、本当に各種行いました。運動の価値は、極めて大きいです。
幼少時は特に、知性に直結します。そして、EQの発達にも結び付くと考えています。
ある習い事をした際に、プラットフォームスキルと、競技特性に基づくスキルの二つに大別されます。
重要なのは、プラットフォームスキルを向上させることです。後者による野球の上手さ『だけ』ですと、他の競技に応用できません。
幼少時は、楽しみながら、このプラットフォームスキルを向上させる、恰好の機会なのです。
そして、同年代で、このスキルが高いと、自己肯定感も高くなり、自然と社交的にもなり、相手の感情を読み取る努力・方向性にもつながります。

良い指導者とは、競技の結果だけを褒めるのではなく、このプラットフォームスキルの向上に焦点を当てていると考えます。
勿論、競技特有のスキル(例えば、足を使いこなす身体感覚はサッカー特有です。)も、相応に伸ばすのですが。
この二つを分類整理して、子どもの人生が豊かになるサポートをするのが、親や指導者の務めだと思います。
※私は、バスケットボールが然程上手くありません。また、スノーボードも、ハーフパイプやコブなどは出来ません。
でも、周囲の一般の方よりは、楽しめます。これは、プラットフォームスキルを応用しているからです。

競技特性のスキルは、アメフトや、サッカー、フットサル寄りだと思っています。
また、ここでのプラットフォームスキルは「運動能力」について説明していますが、運動能力も「脳機能全般」のごく一部に過ぎません。
より上位のプラットフォームスキルの向上に努め、医学部合格や、経営者としての力量に活かしています。
また、今現在に至るまではまっていたことは、各種各様で変化しています。

子どもにさせたいこと


絶対的に、まず、体操です。身体感覚の基本です。
競技としての陸上、までをやるかどうかは、上記のプラットフォームスキルの向上を取るか、(エンターテインメントとしての)競技特性を取るか、の選択になりますが、そもそもその選択肢に至る為の土台として、最低限の運動神経や身体能力がないと話になりません。

プラットフォームスキルの向上である陸上を捨てて、他の競技を選ぶ理由は、社会性にあります。
この意味では、チームスポーツを選択する方が親としては好ましいです。
その社会性以上に、本人が、探求したい求道者としての素養があるのならば、それを推奨します。

要は、本人が「何を得る為に、それをするのか」という目的意識を持つか、導くことが重要です。
そして、その目的意識とは、親が先に気づかせることが出来ないものです。
本人が夢中になって、没頭して、その最中に何かしらの問題意識を持って親に聞いてきた際に初めて、本人に伝えることが出来るものです。
子育てとは、難しいものですね。

上記は、運動能力を軸に説明しました。他の内容であれば、プログラミングです。
言語能力といっても差し支えないです。私が苦労しました。大学生になって初めて、ブラインドタッチを行いました。
現在はスマホ使用、アプリ使用で問題ないと考える方も多いですが、それは誰か他の方がつくったものを利用しているだけです。
自分で世界をつくることは出来ません。万人が「世界を創る」ことは非現実的ですし、自分の子どもにもそこまでは求めません。
好きならば、頑張ってもらいますが。
でも、「どのように世界がつくられているのか」という理屈、世界観を知っていることは、意味があります。
この感覚を掴む為に、プログラミングを学んでほしいのです。
そして、世界の成り立ちを知る為に、学習し、実践する、という成功体験を積んで欲しいのです。
これは、物理や数学の学習にも通じる部分があります。

言語能力でいえば、母国語もそうです。殆どの大人は、日本語が読めていないのです。
一例を挙げるとある全国新聞の社説です。私が受験生の時は、最も大学入試に活用される文章でした。
その入試問題で満点が取れる社会人は何割程でしょうか。殆ど、満点が取れません。
要は、日本語を読めた気になって、出題者の意図の通りに読めている日本人が殆どいないのです。この自覚が、出発点です。

私は、東大医学部を受験する程度には、受験業界では優秀でした。
しかしながら、本当の意味で母国語、日本語の能力が身に付いたのは、一浪した予備校時代でした。
当時、「自分は、日本語を知らなかった・・・」と衝撃を受けた程です。
東大医学部に進学した後、今現在に至るまで、ひたすらに、母国語の言語能力を磨いています。
そして、私の家族や社員にもそれを伝えています。
私の経験や教訓が、参考になれば幸いです。

執筆者

乾 雅人先生
医療法人社団創雅会 銀座アイグラッドクリニック 理事長兼院長 

[経歴]
1984年 医療一家の次男として生誕。
5歳の時、父親の肺移植研究目的のドイツ留学に同行し「国を代表するような外科医になりたい」と憧れを持つ。
兄弟ともに、東大医学部に進学し、胸部外科を専攻。自身は大学院で肺移植領域の研究に従事。
2020年、医療業界にこそプロ経営者が必要と痛感し、独立開業。
経営者として武者修行をするとともに、「美養と老化を科学する。」医者として、世界中の薬液を検証している。
『医療・医学・医者の常識を揺さぶる』をコンセプトに、YoutubeでもDr.Inuiとして情報発信をしています。

医療法人社団創雅会 銀座アイグラッドクリニック
https://ginza-iglad.com/

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