[5]うちの市松人形が見てる|「いっぱいお話ししてくれた」寝ぼけた娘の横で静かに佇むいちまさん

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前回のお話

マキさんの実家、園田家には、代々娘に引き継がれている市松人形が大切に床の間に飾ってあります。家族から「いちまさん」と呼ばれるその市松人形は、幼少期のマキさんにとっては少し怖い存在でしたが、以前いちまさんを雑に扱ってしまった日に夢に現れるという不思議な夢を見てから、いちまさんを大切に扱うようになりました。ある日、風邪をひいて寝込んでいた時に、突然現れたいちまさん。でも、翌朝には熱も下がってすっかり元気になり、いちまさんに感謝しました。その後、小学生になったマキさんの家に遊びに来た、何かと感動するミチコちゃんと、何でもケチをつけるアヤメちゃん。結局仲良くなったのはミチコちゃんでした。そして高校生になったマキさんが彼を家に連れてくると、いちまさんに暴言を吐いたせいか、自転車で転んた上に原因不明の病気に。いちまさんに優しく声をかけたご主人とは、とんとん拍子に結婚の話が進んでいきました。いちまさんが悪縁を払ってくれたのか、アヤメさんや元カレとは疎遠になり、マキさんは思わずいちまさんに感謝したのでした。

1話目から読む

「一緒にお話ししてた」何を話してたのか気になる

高校生になった私。彼氏を家に連れてきた時、いちまさんを否定したことが原因なのか・・二股をかけていたことが判明して別れることに。おまけに自転車で転んで骨折までしたらしい。対する今の夫は、「優しい雰囲気の人形だね~」といちまさんを絶賛し、とんとん拍子で結婚することに。いちまさんが悪縁を払ってくれたのか、自然に疎遠になり感謝していました。

その後、娘ユカが生まれました。赤ちゃんの頃から、なぜかいちまさんに興味津々のユカは、

3歳になった今も、しょっちゅい触っていました。その様子を見てドキドキしていたものの、「でも、いちまさんも受け入れてるっぽいし・・大丈夫か」と安心していました。

そんなある日・・。「お隣に回覧板届けてくるけど・・ユカも行く?」そうたずねると、「テレビ見てるから待ってるー!」とユカ。「そう?じぃじとばぁば畑だからユカ一人になっちゃうけど、数分で戻るからね」そう言って家を出ました。

それから30分後のこと。
「しまった・・もうこんな時間。ユカ大丈夫かな・・」お隣の奥さんの話につきあい、帰りそびれてしまった私。家に着いて、「ただいまー!ごめん遅くなった」と声をかけるも、「あれいない・・!?」人気がない・・。

「ユカ!どこ?」家の中を走り回ってユカを探すと、畳で寝転がっているユカの姿が!そして、その横にはいちまさんが立っていました。

ユカに駆け寄り、「ごめんね。一人にして。でも、こんなところで寝ちゃだめだよ」と言うと、「ん~?いちまちゃんと一緒にお話してたしだいじょうぶ~。いっぱいお話してくれたよ~」と寝ぼけながら答えるユカの言葉に、「お・・お話い・・?」と頭をひねる私。

どんな内容だったのか、ものすごく気になったものの、ユカが夢でも見たのだと思う事にしたのでした。そして、振り返ると、いちまさんは、いつも通り床の間にたたずんでいるだけだったのでした。

娘のユカちゃんを産んだマキさん。赤ちゃんの頃からいちまさんに興味津々のユカちゃんは、3歳になってもいちまさんと仲良し。ある日、回覧板を届けに行って帰りが遅くなり、一人で待っているユカちゃんが心配に。慌てて探すと畳の部屋で眠っていてビックリ!「いちまちゃんとお話ししてた・・」と寝ぼけながら言うユカちゃん。心配になったものの、夢だと思う事にしたマキさん。静かにたたずむいちまさんを見て、小さな頃に感じた不思議な空気を感じたのかもしれませんね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井 秋 編集:石野スズ
作画:左近寺しゅうり
暴れん坊男児2人に振り回されるサラリーマンパパ

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