[1]うちの市松人形が見てる|実家に代々受け継がれる市松人形を雑に扱ったら夢に現れた。

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市松人形は江戸時代に生まれた日本人形。黒髪のおかっぱで美しい着物を着た可愛らしいお人形ですが、怪談話に登場するお人形を想像する人も多いのではないでしょうか。今回は実家で代々娘に受け継がれ大切にされている市松人形の「いちまさん」を受け継いだマキさんのお話です。

幼少期の不思議な体験

私は園田マキ。母方の実家には代々娘に引き継がれている市松人形があり、床の間に飾ってあります。

おかっぱの黒髪は櫛できれいにとかされ、立派な着物はきちんと整えられているその市松人形は家族に「いちまさん」と呼ばれ大切にされています。でも幼少期、当時4歳だった私にとってはいちまさんの風貌は少し怖いものでした。

ある日、私はお気に入りのぬいぐるみといちまさんで、おままごとをして遊んでいました。お人形遊びの時、いちまさんはいつも少し残念な役どころ。だって、顔が怖いんだもの。

夢中になって遊んでいる時、母から「マキ~、ごはんよ~!」と呼ばれました。

「は~い!今行く~!」と、私はすぐにぬいぐるみといちまさんをその場に放り出して食卓に走っていきました。

食事の後、お人形遊びのことなどすっかり忘れてしまった私は、夜になってお部屋にぬいぐるみといちまさんを散らかしたまま寝てしまいました。

すると、なんだか重い空気。誰かが近づいてくるような気がしました。その姿は・・・いちまさん?目を光らせて、髪はボサボサ、着物は着崩れてこちらに近づいてくるのをハッキリと感じました。いちまさんは怒っているような、悲しいような、何とも言えない顔をしていて、私はすごく苦しくなりました。

ハッと目を覚ますと、私はうなされていたようで、息が上がっていました。その場を見回しても誰もいません。もちろんいちまさんも私が寝ている部屋にはありませんでした。でも私にはハッキリいちまさんが見えたのです。とても不思議な体験でした。

その後、「これで機嫌直してくれる・・かな?」そう言っていちまさんの髪を櫛でとく私。
それからと言うもの、いちまさんの夢を見ることはなく、いちまさんを大切に扱うことを誓ったのでした。

昔から大切にされている市松人形を雑に扱ってしまった罪悪感からなのか、本当にいちまさんの意思で夢に現れたのか・・・不思議ですね。そしてちょっと怖いです。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井 秋 編集:石野スズ
作画:左近寺しゅうり
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