[24完]無自覚夫|泣かれても諦めない夫「娘が笑った!」喜んで報告する姿に妻が初めて感じた変化。

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前回のお話

妻アズサさんが仕事復帰する際、夫カズヒデさんの協力なしにはやっていけないと話していたにも関わらず、カズヒデさんは家事育児に加え仕事も抱えていっぱいいっぱいのアズサさんを支えるどころか自分本位で自分の事すらもやらず、アズサさんの手が回らないところを見つけては文句ばかり言っていたため、アズサさんは精神的肉体的な疲労に耐えられなくなっていきました。限界を迎えたアズサさんが頼ったのは自分のお母さん。自宅にお母さんに滞在してもらい、家事も育児もサポートしてもらったアズサさんは初めて気持ちに余裕ができ、職場にも迷惑をかけない生活ができるようになりました。そんなアズサさんに不満でいっぱいのカズヒデさん。自分の仕事もできずに人任せにする職務放棄だとアズサさんを責めますが、家事育児を自分事として行う気持ちは毛頭ありませんでした。夫婦の話し合いが成立せず、とうとうアズサさんは娘リコちゃんを連れて実家に帰ると、お母さんのサポートのおかげで笑顔で暮らせるようになり、寂しくなって迎えに来たカズヒデさんと一緒に暮らす未来が日に日に見えなくなっていきました。カズヒデさんはアズサさんに「夫・父親」と認められまた家族みんなで暮らしたいという思いを胸に、これまでの自分を反省して、今までアズサさん任せにしていた洗濯、掃除、料理を始めたのでした。そして動物園へ行く約束をしていた週末、アズサさんの実家に迎えに行ったカズヒデさんの手には、家族で食べようと一生懸命に手作りしたお弁当がありました。

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娘が泣いても抱っこし続けた夫

カズヒデと出かける約束をしている週末になりました。私とリコを迎えに来たカズヒデは、「リコ~、会いたかったぞ~」と嬉しそうに張り切っていましたが、リコはカズヒデの姿を見て泣き出してしまいました。今までなら泣いているリコはすぐに私に任せてしまうカズヒデでしたが、今日はリコが「まんまー」と私を求めてどれだけ泣いても、優しく「ママがいいのか。そうかそうか。」とリコを抱っこし続けています。

カズヒデは「今日はキリンさんとゾウさんを見に行こう!」とリコを抱っこしながら明るく話しかけました。「じゃ、お母さん行ってきます。」そう言って出かける私たち家族を、母は「楽しんでいってらっしゃい。」笑顔で送り出してくれました。

「今日はお弁当も作ってきたんだ」と、カズヒデは言ってまだ泣いているリコに「リコはおにぎり好きかな?先に食べるか~」と言いました。「さっき、ご飯食べたばかりだから。」つい素っ気なく言ってしまう私にもカズヒデは機嫌を損ねることなく「あ・・・そっか。」と気にしない様子。

気を取り直して「リコは何の動物が好きかな?パパといっぱい見ような~!」と話しかけます。抱っこされながら、だんだん落ち着きを取り戻してきたようにカズヒデの顔を見上げるリコ。そんな2人を私はまだ半信半疑で見つめていました。だって、人ってそんなに簡単に変われないもん。そう思った瞬間、ずっと泣いていたリコがニコッとアズサに笑顔を見せたのです。

「アズサ!!」リコが向けた笑顔にカズヒデ自身も驚いたようです。「リコが泣き止んだ!!笑った!!」私もびっくり。リコは嬉しそうに笑っていました。

リコの笑顔に驚きと喜びが混ざり合ってはしゃぐ夫の姿を見ていたら、なんだかモヤモヤしていた心の中に、フワッと優しい空気が入ってきたような気持になりました。
変わろうとする夫を、もうしばらく見守っていてもいいかもしれない。そう思いました。

家族がまた一緒に暮らすために、先ずはアズサさんとリコちゃんのいない家で掃除や洗濯、料理を始めたカズヒデさん。家族のお出かけにお弁当を作ってきてくれるなんて、アズサさんには想定外のこと過ぎて驚きでしたよね。人はそう簡単に変わらないと言うアズサさんの気持ちはとってもよくわかりますが、見えないところで変わろうと一生懸命に努力しているカズヒデさんを、リコちゃんは感じ取ったのかもしれませんね。幸せな家族の未来が訪れることを祈ります。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:ねむりひつじ
男の子ママ。面白かったり可愛かったなぁと思った子どもの様子をノリと勢いで描いています。

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