年の差婚[21]敵意むき出しの彼女にタジタジ

試合が始まり、コートを縦横無尽に走り回る加賀谷くんを見て「わ・・・すごいな加賀谷くん」と感心しながら見ていた私。しかし、10分後。「・・・これは立ったままずっと見てないといけないのかしら・・・暑い!」暑いし足が疲れてきたけれど、周りはみんな立っているし、こういう場に慣れていない私は勝手が分からない。

すると、見覚えのある女の子が「あのぉ~。ジュンとお知り合いですか?」と声をかけてきました。すぐに加賀谷くんの彼女だと気付き「うわっ!ちょっと彼女さんじゃん!」と思いながら「あっはい!会社が同じで・・・」と焦りながら答えました。

「今日はジュンに誘われて?」と聞かれ、気まずくて「あはは・・・あ・・まぁ・・」と曖昧に返すと、彼女さんはにこやかな笑顔を浮かべて「ふーーーん・・・」と言った後、「・・・もしかして、お名前、私と同じ『ユリ』ですか?」と聞いてきました。「え!?あっはい・・・」と答えると「へー・・・」と独り言のように言った後、ボソッと「・・・おばさんじゃん」と呟いたのが聞こえました。

「・・・え???」と聞こえないフリをしたけれど、私・・しっかり聞こえてました!!彼女さんは「なんでもないですぅ~」と笑いながら「あっ今日暑いですよね。あそこで飲み物とか売ってますよ~。熱中症とかで倒れると大変なので買ってきた方がいいと思います!」と話題を逸らしました。

「あ・・・ほんとだ。そうしようかな。ちょうどノドかわいてたし・・・」飲み物を買いに行こうとする私に彼女さんが「試合まだまだかかるし、ぜひそうしてください~。ジュンにも伝えますし」と急かすように言うので「そ、そう?ありがとう・・・」とお礼を言って飲み物を買いに行きました。彼女さんは満足そうに「ごゆっくり」とにっこり。

「彼女さん敵意むき出しじゃん~・・・」先ほどの彼女さんの態度に明らかな敵意を感じ取った私。そして、「おばさんじゃん」と言われた言葉を思い出し「おばさんかぁ・・・自分でもわかってるけど・・・」と分かっていることだけど言われるとやっぱり落ち込んでしまう。「ってか、加賀谷くん彼女いるんだったら誘わないでよーっ!」彼女さんも来ると分かっていたら来なかったのに・・と思いながら飲み物を買いに向かった私でした。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。