親友は私が守ってあげなくちゃ!

私には、大学時代にサユリという親友がいました。サユリは小柄で可愛くて、まさに守ってあげたくなるような女の子。そのせいか男子からの人気も高く、デートのお誘いは日常茶飯事です。でも本人はまったく興味なし。この日も「アユと予定があるから」と、男子の誘いを断っていました。それなのに、諦めの悪い男子はサユリの手を引っ張って無理やり連れ出そうとします。
私はあくびをしながらゆっくり体を起こすと、「ぜんぜん寝れないじゃん」そう言いながら、サユリを守るようにギュッと抱き寄せました。そして男友達を指さし、「私のサユリにそんなこと言うなし!絶対そんなこと思うわけないし、大事なサユリをハイエナみたいなアンタらに渡すわけないじゃん」と、きっぱり言い切ります。

「大体下心見え見えなんだよ!」そうからかうように言うと、男友達は「なんだよそれ~」と笑いました。サユリを誘うのは諦めたのか、男友達はどこか仕方なさそうな顔をして、「んじゃ~過保護な保護者のアユちゃん、カラオケいこーぜ」と今度は私に声をかけてきます。「おっいいねえ!」と私がついていこうとすると、「アユ!」とサユリが慌てて私を制止しました。

「今日は出ないとさすがにダメだよ、単位落としちゃう」サユリにそう言われて、私はハッと我に返ります。そうだった、今日欠席したら単位を落とすところだった。私は後ろでサユリが嬉しそうな顔をしていることにも気づかないまま、カラオケに向かう男友達を見送りました。

講義が終わり、サユリと一緒に次の教室へ向かいます。「サユリのおかげでなんとか単位落とさずに済んだよ」「もう気をつけてよ?」そんなたわいもない話をしながらドアを開けると、そこには見知った顔がありました。

「タクマさん?」そう声をかけると、タクマさんはふわっと微笑んで「おーアユじゃん」と手を振ってくれました。誰にも言っていませんが、私は密かにタクマさんに想いを寄せています。女っ気のない私に好きな人がいるなんて、こっぱずかしくて親友のサユリにすら打ち明けられずにいました。

嬉しさのあまり、私は「タクマさんもここだったんですか?」と駆け寄り、ついサユリをそっちのけで話しかけてしまいました。「そろそろ出ないと単位がヤバいから」「私と一緒じゃないですか」タクマさんと楽しそうに話す私の様子を、サユリは無表情のままじっと見つめていました。
いつも一緒で、誰が見ても仲のいいアユさんとサユリさん。一見すると深い友情に見えますが、サユリさんの表情からは、それだけでは説明できない感情が少しだけ滲んでいるようにも思えます。気のせいでしょうか。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:コハダさんさん
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