親戚が集まると顔を合わせる従兄弟の三兄弟、元気でやんちゃに遊び回る姿を見て本当に楽しそうにしているお父さん。
その姿をみて従兄弟たちを真似て同じようにふるまう奈々さん・・。
本当はお姉さんのように、可愛い洋服が着たかったけれど、お父さんが男の子でいて欲しがっているから、と、男の子の役割を演じ続けるのでした・・。
男の子に生まれなかった私[3]
私の記憶では、保育園児の頃には男の子の真似事をするようになっていました。
誕生日プレゼントもラジコンやプラモデルなど、男の子の喜ぶようなものばかり。
姉が貰っていたのは、お人形やアクセサリーなどのかわいいおもちゃ・・。
もちろん、このプレゼントは私が自分で選んでいました。
だって・・私が女の子らしいと父ががっかりするから・・。
普段から、遊ぶ相手も男の子ばかりで、
毎日グランドに出ては活発に遊び回る・・これが私の小学生時代でした。
でもそれは、それも中学校に入るときに終わりを告げました。
中学校の制服はセーラー服・・今のようにスラックスなどを選べない時代でした。
「男の子にはなれない」と突きつけられた瞬間です。
それでもできることはやらないと。
そう思い、男の子のように短く切りました。
「私は男の子。そうじゃないと愛してもらえない」
でも父には・・
「はぁ・・男だったら野球をさせたのに」
当時は女の子は野球部には入れませんでした。
父は野球が大好きで、男の子が産まれたら野球をさせたかったそうです。
さらに
「男だったら地域の催しにも参加できていた」
とも。
地元では当時、男性しかできない催しがあり、女性は炊き出し等の準備をしなければならず・・
そういった習わしが、さらに私を追い詰めていったのです。
「・・・ごめんなさい。女の子でごめんなさい」
その時の私には、反抗する、なんて考えも浮かばず、本気でそう思っていました。
セーラー服を着ていても、男の子とつるんで言葉遣いや態度も荒くして
精一杯男の子に見られるように努力しました。
けれど、男の子たちはみんな次々に背が伸び、声変わりも始まっていき・・
対する私の体つきはどんどん女性らしくなっていきました。
どんなに頑張っても、自分だけが努力しても、成長には逆らえませんでした。
もう無理。
男の子になれない自分に、今の現状から逃げだしたくなりました。
今の自分を知っている人から逃げたかった・・。
私のことを知らない場所へ行きたかった・・。
もう・・限界だったのでした・・。
続きます。
ママ広場オリジナルマンガ「男の子に生まれなかった私」は毎日更新します。おたのしみに!
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※ストーリーは体験者の話を元に作成していますが、登場人物や団体名は仮名で作成しています。
※実在の人物や団体等とは関係ありません。
[脚本]ママ広場編集部 [作画]みつけまま
作画:みつけまま
2歳長男・0歳次男(R5.3月誕生)を子育て中のワーママです。