羨ましかった。本当は辛かった。

夫が1本1万円もするお酒を買ってきた時、なぜか無性にイライラして涙を流して怒りだしてしまった私。でもみや子さんに「羨ましかった?」と聞かれてドキッとしました。「香苗ちゃん頑張り屋さんだし、いっぱい我慢してそうだし」と言われて、あらためて自分の気持ちと向き合いました。
私は夫が羨ましかったのかな。いつ見ても自由に過ごしている夫が?買いたいものを何も気にせず変える夫が?

そしてようやくずっと心の中で渦巻いていたモヤモヤの正体がわかった気がして、みや子さんに言いました。「羨ましかったぁ。私、いっぱい・・・欲しいものもやりたい事もそうじゃないことも、我慢して・・・」言いながらまた涙が溢れてきました。

私、本当は毎日夜泣きがきつかった。毎日それを気にせず寝れる夫と、代わりたかった。好きなものも気にせず買いたかった。朝散歩のときのコーヒーも、焼きたてのパンも、それにスーパーで我慢したお菓子だって!気にせず買いたかった。

夫が羨ましかった。なんで私ばっかり我慢して、ってずっと思ってた。だって沙苗の親は私ひとりじゃないんだよ?夫は沙苗の父親なのに、どうして何も気にせず自分の好きなことばかりしていられるの?
でもそんなこと考えちゃダメだって思ってた。もっともっと頑張って、飲み込んで、ひとりで全部上手くやらないとって思ってた。だって私、お母さんだし、沙苗のお世話をして家に居るんだし。
みや子さんに聞いてもらっていたら、気持ちが止まらなくなってしまいました。

思いつくままに泣きながら話す私に、みや子さんは「その気持ちは全然悪いものじゃないよ。香苗ちゃんの大切な気持ちだよ。それ、全部旦那さんに言っていいんだよ。」優しい笑顔でそう言ってくれました。
辛くても疲れてもずっとひとりで頑張って、生活費を稼いでくれているご主人に抱っこすら「代わって」と言えず、我慢してきた香苗さん。次第に自分の気持ちに蓋をしてわからなくなってしまっていたのかもしれませんね。みや子さんの発言で本当の気持ちを言葉にできて、ようやく「辛い」と自覚することができたのですね。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
監修・校正:ママ広場編集部 編集:石野スズ
脚本・作画:めめ
のらりくらりと育児をしながら日常のイラストを描く4児の母。