[4]親の夢を押し付けられた娘|もう悔し涙は流させたくない。娘のために力になろうと決意した母親

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前回のお話

陸上部でスプリンターとして練習に励んでいる中学生の娘夏帆さん。大会での活躍を期待されているものの、最近は記録が伸び悩んでいます。夏帆さんなら誰よりも速く走れると信じている母早紀子さんは、このままでは勝てないのではないかと不安に駆られます。早紀子さん自身も、かつては走ることが大好きな子どもでした。しかし、周囲の期待に応えようとするうちに走ることが義務になり、大学時代の大会で故障したことをきっかけにそのまま引退。生きがいを失った早紀子さんでしたが、駿さんと出会い、夏帆さんが生まれたことで、陸上への情熱は次第に薄れていきました。それから数年後。早紀子さんは、夏帆さんの初めての運動会で、娘に走る才能があることを感じ取ります。しかし、過度に期待してはいけないと、自分の中に芽生えた期待を打ち消すのでした。

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転機が訪れたのは、娘が年長になったとき

夏帆に走る才能があると気付いたのは、初めての運動会でのことでした。周りの子どもたちを大きく引き離し、トップでゴールテープを切った夏帆の姿は今でも忘れられません。けれど、この子より走るのが速い子なんて世の中には山ほどいます。私は心の中に芽生えた期待を打ち消すように、「きっと今は、たまたま楽しいだけ」と自分に言い聞かせました。

転機が訪れたのは、夏帆が年長になったときのことでした。幼稚園最後の運動会。それまでかけっこで1位を取り続けていた夏帆が、初めて3位になってしまったのです。よほど悔しかったのか、周りの子どもたちが笑顔を見せるなか、夏帆だけが泣いていました。

運動会が終わっても、夏帆は悔しさを整理できないようで、グラウンドにうずくまったまま動こうとしません。「か~ほ、そろそろかえろ?」と声をかけますが、夏帆はぼろぼろと涙を流しながら首を横に振りました。

すると夏帆は、小さな声で「まけたの・・・まけたんだもん」とつぶやきます。そして、あふれる涙を拭いながら「まけるの、もういやっ」と言いました。その姿を見た私は、大学時代の大会で故障し、泣き崩れた自分の姿を思い出しました。

私は夏帆を優しく抱きしめると、「そうだね、負けるの嫌だね・・・じゃ、負けないようにママと練習しようか」と声をかけました。すると夏帆は、ぴたりと涙を止めて「うん、する!」と力強く答えました。

家に帰ってさっそく駿に指導のことを相談すると、「夏帆がやりたいならいいんじゃないか?」と快く承諾してくれました。「無理しすぎないように頑張れ」そう言って優しく頭を撫でられた夏帆は、いつもの笑顔で「うん」と答えました。

子どもの頃から、陸上一筋で走り続けてきた早紀子さん。1位を取れないことがどれほど悔しいかは、誰よりも本人が分かっているのかもしれません。負けて泣いている娘の姿を見たら、何とかしてあげたいと思ってしまうのも無理はないですよね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:八雫紫苑 編集:石野スズ
作画:そうはは。

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