[5]弟優遇母|夫に指摘されて歪んだ怒り。きょうだい差別で娘を傷つけていることに気づいていない母。

アイコンイメージ
前回のお話

サキさんは成績優秀で進学校に進み、現在高校3年生で大学受験を控えています。一方弟の近所の高校に通う1年生のシュウトさんはサッカー部に所属し元気でノリが良く、サキさんとは正反対の性格です。サキさんは、シュウトさんを溺愛するお母さんがあまりにもサキさんの扱いに差があることに悩んでいました。例えば毎日のお弁当。毎朝お母さんが作ってくれることには感謝しているサキさんですが、お母さんはシュウトさんのお弁当だけきれいにしっかり詰めると、サキさんには残りものを「自分で詰めていきなさい」と言います。また受験勉強で使う電子辞書を買って欲しくても、シュウトさんが欲しいゲームの方が優先。テストの点数が良くて報告しても、「できて当たり前」と目も合わせてくれないのに対し、赤点ギリギリのシュウトさんには「部活もあるのに頑張っている」とニコニコなのです。お父さんがサキさんを思って何か言うとお母さんがいつも不機嫌になることにもサキさんは胸を痛めていました。出向のため家族と過ごす時間が増えたお父さんが見かねて、シュウトさんばかりに甘くサキさんに我慢させている妻に指摘すると案の定お母さんは自分が悪者になったことに腹を立てて、その矛先がサキさんに向いてしまうのでした。

1話目から読む

母の興味は弟だけ。一生変わらない。

お父さんが娘たちの知らないところでお母さんに「サキにばかり我慢させている」と指摘した翌朝。

朝ご飯を食べていると、母が明らかに不穏な空気をまとってやってきました。「ねぇ、昨日お父さんに何か言った?」と聞かれて何のことかわからず「え?」と聞き返すと、不機嫌な顔で母は「お母さんさ、あなたにそんなひどいことした?」とまた聞きました。

なぜそんなことを聞かれるのか分からず、動揺して何も言えずにいると、母はさらに「なんだか私だけ悪者みたいに言われちゃって気分悪かったわ。」と私を責めてきたのです。私は呆然として言葉が出てきませんでした。

「おか・・・」言いかけても母は「あら、こんな時間。シュウ君起こさないと。サキ、自分のお弁当詰めておきなさいよ。」とそっぽを向いたままでした。

キッチンにはシュウトのためにキレイにたっぷり詰めたお弁当と、お皿にチラホラ残ったおかず。でも私は「うん・・・」と言うしかありませんでした。

ほとんど崩れたおかずを詰めながら、私は確信しました。お母さんは私には興味が無いんだもん。お母さんの一番はシュウトで、多分一生変わらないんだな。

サキさんは大人しくてしっかりしていて成績も優秀。確かに放っておいても一人で何でもできてしまうかもしれませんが、シュウトさんとの扱いの差が見えすぎるのは辛いですね。シュウトさんは気づいているのかも気になります。お父さんの指摘でサキさんへの当たりが強くなってしまったようですが、受験を控えているサキさんには受験以外のことでストレスがかからないことを願います。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:さいとうにこ
子育て、日常記録を描いています!
3児のママ

この記事をSHAREする