[15]私の居場所を奪った女|演技なのか本気なのか。カップル誕生をにおわせ噂を作り上げた学園祭

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前回のお話

高校時代、1軍女子だったカエデはみんなの人気者でした。そんなカエデの存在を羨望の目で見ていたシズク。現在ではシズクの夫であるワタルとカエデは、両想いなのに気持ちをハッキリ伝えられず、仲の良い友達のひとりでした。そのうちカエデはショウマと一緒に帰るようになり、クラスの女子たちは付き合っているのかなとヒソヒソ言うと、ワタルは辛そうな顔で帰って行く2人の後ろ姿を見ているのでした。そんなワタルに、「カエデに『ワタルに近づくな』と手紙が届いている」と秘密で打ち明けたシズク。心配する真面目なワタルにシズクは、カエデと話し合ってカエデが望んでいることだとして、自分と付き合っている噂を流せば、ワタルとカエデはまた一緒にいられるようになると提案し納得させたのでした。

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学園祭当日。高校内で流行っている、女子が男子のネクタイを借りる話で盛り上がっていました。気になる相手に声をかけるチャンスなので、学園祭のこの風習で付き合うカップルが多いのです。

「私はワタルからつけてって言われて・・・」と照れながらシズクがみんなに伝えました。「えーっ!そうなの??」と盛り上がるみんな。「カエデは?誰かにネクタイ貸してもらうの?」と聞かれ、カエデは「う~ん・・・私は借りる予定ないかな~」と笑っていました。

カエデは「シズク、借りられて良かったね!」とシズクの耳元で言いました。「じゃ、このまま付き合ったりして?」「カップル誕生!?」と口々にみんなに言われて「え、わかんないよそんなの・・・」とシズクは耳まで真っ赤になって答えました。

「あれカエデ。ネクタイないの?」とショウマがやってきました。「じゃ、これ持ってて。他の子に貸してって言われるの避けたいし」と言ってショウマは自分のネクタイをカエデに差し出しました。「仕方ない、預かってあげようではないか」とおどけるカエデ。

そんな2人の様子を、実はワタルはそばで静かに見ていたのでした。いつかの帰り道、カエデに自分のネクタイを貸す約束をしていたことを思い出しながら。

ワタルとシズクが付き合っているという噂が流れれば、カエデに『ワタルに近づくな』と手紙を送ってきた人物の目がシズクに向けられることによって、両想いのワタルとカエデはまた一緒にいられるようになる。そんなシズクの提案をカエデも希望したと聞いて了承したワタル。さっそく学園祭の日に流行る男子のネクタイを女子が借りる風習を利用して、シズクはワタルのネクタイを借りたようです。カエデにネクタイを貸す約束をしていたワタルにとっては辛いのに、その隙にショウマがスッと入ってきた形になってしまったので、ワタルの悔しい気持ちがわかります。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。

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