[13]私の居場所を奪った女|一緒に居て秘密を打ち明けたいのに言えないあの子に代わって密告「近づくな」

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前回のお話

高校の同級性だったワタルと結婚したシズクは、娘ミズキと3人で幸せに暮らしています。卒業以来、久しぶりに地元に戻ってきたカエデと再会したシズクは、カエデの娘アカリが偶然ミズキと同じクラスになったこともあって親しく接し、ワタルにもよくカエデの話をしますが、いつもワタルの反応をひそかにうかがっていました。またカエデは、愛妻家で知られるショウマとやけに親しく、シズクには内緒でワタルと連絡先を交換した報告をするのでした。4人の関係は、高校時代に遡ります。当時1軍女子として君臨し、男子からも女子からも1番人気だったカエデ。ワタルとは一緒に帰るほど仲が良いもののお互いに好きな気持ちを言い出せないもどかしい関係。そんな2人のことをいつも見ているシズク。そしてショウマはカエデを呼びに来て一緒に帰るようになり、付き合っているのかと噂になり始めていました。ある日シズクは、「カエデに変な手紙が届くようになって様子がおかしい」とワタルに打ち明けます。心配してすぐにカエデに話を聞きに行こうとしたワタルでしたが、カエデは誰にも知られたくないから言わない方がいい、何かあったら伝えるからとシズクは言いました。

1話目から読む

一緒に帰りたかったけれど言葉を濁して立ち去ったあの子

カエデに変な手紙が届いていることを、内緒でワタルに打ち明けてから少し経ったある日、カエデが「ワタル!ちょっといい・・・?」と声をかけました。「あのさ・・・」思いつめたように、口ごもるカエデ。

真面目な性格のワタルは、『カエデは誰にも知られたくない』という私の言葉を信じて自分からは何も言いません。「ん・・・?」とワタルに言われたカエデは、「あ、いや、」と話そうか悩んでから「最近一緒に変えれてないな~って思って!」と、やはり言うのをやめた様子です。「今日一緒に帰る?」とワタル。この前私が誘った時は「部室に寄って帰るから」と断られたのに。

カエデはまた口ごもりました。「あー、しばらくはちょっと予定があって。」と視線を外すと、「帰れるようになったらまた一緒に帰ってくれる?」と、まっすぐにワタルを見つめました。「もちろん」「ありがと・・・」そんな2人が両想いなのは見ていてわかります。私はさりげなく2人の会話を聞いていました。

放課後、私はまたワタルに声をかけました。「聞いた?手紙のことカエデから・・・」会話を聞いていたことは秘密にして、確認すると「いや・・・何も。」とワタルは言いました。

私は、カエデに届く手紙のことを「その手紙ね、『ワタルに近づくな』って書いてあったみたいなの。」とワタルに密告しました。

カエデさんは、『ワタルに近づくな』と言う内容の手紙を受け取るようになっていました。そのことをワタルに話そうか悩んだけれど、ワタルに危険が及ぶかもしれないと考えて言い出せなかったのですね。本当は一緒に居たい2人なので、手紙の内容を知ったワタルさんはカエデさんを放っておけないでしょうね。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。

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