[10]私の居場所を奪った女|淡い恋心。高校時代モテていたあの子は夫といい感じだった。

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前回のお話

高校の同級生だったワタルとシズクは結婚し、地元で娘ミズキと3人仲良く幸せに暮らしています。ある日、シズクは小学校の授業参観でミズキの友達アカネの母親が、高校卒業以来久しぶりに地元に帰っていたカエデだということを知って驚きました。カエデが帰ってきていることと、それを機に同窓会を開くことになったことをワタルに伝えながら、シズクはワタルの反応をそっとうかがっていました。同窓会でやけに親し気なカエデとショウマ。一緒にタクシーに乗って帰っていく二人を見送りながらシズクが「愛妻家って言ってたけど、ショウマはカエデのこと忘れられないのかな」と呟きつつ、またワタルの様子をそっとうかがうのでした。後日、ミズキの誕生日会に呼ばれたアカネと一緒にワタルたちの家に来たカエデ。シズクは喜んでカエデを迎えました。カエデに会ったワタルは「ショウマは妻子がいるのに誤解されるような行為は慎んだ方がよいのでは」と、まじめな性格から本当に心配して助言しました。するとカエデは「そんなに心配なら」と言って連絡先を交換することを提案しました。しかも、シズクには内緒と言う条件付きで。不思議に思ったワタルでしたが、カエデの言われるがまま連絡先を交換しました。誕生日会の後、みんなが帰ってくつろいでいると洗面所からシズクの叫び声が。洗面所に会った観葉植物が洗濯機の中に投げ込まれ、ドロドロになっていたのでした。誕生会の時にカエデが洗面所にいたのを見たワタルはカエデを疑います。一方カエデはまたショウマに会っていて、シズクにバレずにワタルと連絡先を交換したことを報告するのでした。

1話目から読む

お互いに好きと言えない微妙な関係

高校時代のカエデはかわいくて明るくてみんなの人気者でした。ワタルとも仲は良かったけれど、お互いに好意を持っているもののなんとなく言い出せない、微妙な関係でした。

「ねぇねぇ、うちの高校、学園祭の時に女子が男子のネクタイ借りるの知ってる?」とカエデはワタルに聞いてみました。内心ではドキドキしながら。

「あぁ。あれって付き合ってるって意味なの?」素直で真面目なワタルが言われて、「気になる相手に声かけるチャンス・・・?みたいなこと聞いたけど」とカエデが説明すると「へぇ。何?カエデも誰かから借りるの?」とワタル。カエデは「う~ん。貸そうかって何人かには言われたけど・・・」ワタルにははっきり言い出せず、遠回しに答えるカエデです。

照れ隠しで、カエデが「何~?もしかしてワタルのネクタイ私につけて欲しい・・・とか?」と言うと、「いや、ネクタイ無かったら可哀想かなと思って。」とワタル。「かわいそうって何それ~!」「親切心だよっ」冗談と本気の間を抜け出せない2人です。

カエデが「でも、嬉しい。ありがとね。」と恥ずかしそうな笑顔を見せると、ワタルはドキッとして(かわいいな)と心の中でつぶやいていました。

「あ・・・でも、ワタルが貸してあげたい子がいたら、そっち優先してね。」とカエデが言うと、「・・・うん、わかった」とワタルが答えて、2人は『いい感じ』のままハッキリ気持ちを伝えられずに、並んで帰宅しました。

高校時代、好きな子の気持ちもなんとなく自分に向いているのではないかと思いつつも確信は持てず、友人関係が壊れたらどうしよう、フラれたらどうしようなどと考えて気持ちを言い出せない微妙な関係ってありましたよね(笑)。今はシズクと結婚しているワタルの気持ちは、高校時代はカエデに向いていたようです。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。

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