ゲームで負けるとすぐ泣いてしまう。
負けるとわかった途端ゲームを途中で放棄する。
負けそうになると、ルールを変えてしまう。
負けると泣きじゃくり癇癪をおこしてしまう。
負けた悔しさから相手に乱暴をしてしまう。
自分が勝ったことで調子にのり、負けた相手をバカにしてしまう。
大なり小なり、お子さんがこのような状態になり困ったことがある親御さんは多いと思います。
この「勝つこと」や「一番になること」にこだわり、勝つことに執着してしまうことを「一番病」と呼ぶことがあります。
これは病名ではありません。由来は水木しげるさんが書かれた「一番病」というマンガからきているようです。
本作品について水木しげるは、手塚治虫をモデルにして、一番になる事ばかりにあくせくする棺桶職人を描いたと述べている[1]。 加えて、当時の売れっ子漫画家達は超多忙を楽しみ、たまに会うと徹夜自慢みたいな話に行き着くのでいつも驚いていた旨を回想しており[2][3]、作中で描かれる「一番病」の症状との共通点が見られる。また、ノンフィクション作家の足立倫行は、作中の棺桶業界は当時の漫画界を擬したものだと指摘しており[4]、他にも水木関連の書籍では同様の解説がされているものがある[5]。
3歳から4歳くらいになると、勝つことへの喜び、負けることへの悔しさを感じることが多くなるといいます。その中で勝ちたいという気持ちも大きくなってくるそうです。
だだ周囲を巻き込んでしまうほどの状態が小学生になっても続くとお友達と遊ぶことがスムーズにいかなくなる場合もあります。
小学2年生の時にこんな出来事がありました。
みんなで鬼ごっこをしていました。その中で1人。つかまりそうになると自分だけ鬼にならないためのルールを突然作る子がいました。
いきなり自分の都合のいいように決めたルール。鬼になっている子が、その突然作られたルールを無視して、タッチしたら、怒り出し鬼ごっこやめてどこかに行ってしまう。
そのルールに対応した子は、あきらめて、違う子を追いかける。
毎回おにごっこをするたびにそのようなことが起こり、だんだんとその子を追いかける子が誰もいなくなってしまった。
ということがありました。
負けて泣くことはダメなことか?
負けて悔しいという気持ちから泣いてしまうことは、お子さんの特性、性格もありますし、この悔しい気持ちは次に頑張ろうとする気持ちにも結び付くため、この気持ち自体がダメなわけではありません。
また、すごくかんばり屋さんで完璧主義なお子さんもいると思います。親としては、思い通りにいかなかった時やゲームで負けてしまったり、1番になれなかったとき、そこで放棄するのではなく、立ち直り次に向かうように育ってほしいと思うのではないでしょうか?
ではどうすればよいか…
方法と対策
子どもたちのそれぞれの性格や特性もあるため難しい部分はあるかもしれませんが、やっぱり「負けることもある」という体験を小さいうちからすることが大切です。そしてその時に「負けてくやしかったこと」を共感し「次はどんなことをするといいのかな?」と次へ進むステップを持たせてあげることが重要だと思います。「勝ち」「負け」についてはトランプやウノなどのカードゲームなどがいいと思います。
その時のポイントは…
ゲームのルールを説明すること
ゲームには勝ち・負けがあること。そして、勝ち負けを競うのではなくゲームを楽しむこと。負けそうになっても途中でゲームを放棄しないこと。を最初に伝えるといいかもしれません。
年齢的に、その説明が難しい場合は最初に大人同士でゲームをしているところを見せることも効果的です。「勝った!やった!」という大人と、「わぁー負けちゃった。もう1回やろう。」と勝っても負けても楽しむ姿を見せる。そうすると、あっ。負けることがあるんだ。という気持ちになります。
親心からどうしてもお子さんに勝たせてあげることがありますよね。でもそればかりだと、どうしても「勝ちたい」という気持ちが勝ってしまいます。それでは「負ける」体験ができません。勝たせてあげることばかりをしないようにしてください。また、ルールを伝えていてもゲームを途中で放棄してしまった場合、ゲームは止めず最後まで行ってください。その時に、3人でする場合や4人でする場合は大人が手助けに入ってそのまま負けてください。大人が入っても負けてしまう場合がある、そして負けちゃったーとみんなと一緒に楽しむところを見せることが大切です。
負けた相手に対する思いやり
勝った喜びを素直に表現することはとてもいいことです。でも、勝った時に負けた相手を傷つけることをしてはいけませんよね。負けてしまった時には、ここまでできていたね。とかここがよかった。あと少しだったね。とねぎらいの言葉をかけてあげてください。そうすることで、負けた相手に対しても敬意を払う大切さを学ぶことになります。
おすすめのゲームは「Dobble(ドブル)」
トランプも慣れてくるといいのですが、私のおすすめはこのドブルというカードゲームです。
うちの娘も負けるとすぐに泣いてしまう子でしたがこのゲームをし始めてからそういったことは無くなりました。
また、負けそうになるとすぐゲームを途中でやめてしまうという子と一緒にやった時は、お子さんがとても楽しかった様子を見て、すぐにお母さんはこのゲームを購入したそうです。
そしてこのゲームをするようになってからゲームで負けても途中で放棄したり、泣かなくなったと報告がありました。
Dobble(ドブル)とは?
真ん中にカードを置いて、自分の手持ちのカードに書いてある絵と同じ絵を探していくゲームです。同じ絵を1番に見つけたらそのカードを自分のものにして、真ん中に置いてあるカードが無くなるまで行います。
そして、そのカードを一番たくさん持っていた人が勝ち。ルールも簡単ですしとても楽しいゲームです。
日本経済新聞「NIKKEIプラス1」の「世界のボードゲーム」ランキングにて、“こども”カテゴリーで1位を獲得!
ルールや説明はこちらを参考にしてください。
ゲームで集中力と記憶力そして反射神経も鍛えられるDobble(ドブル)がおもしろい!
このゲームをやるときのポイント
最初からただ競うことをしません。
大人が自分が見つけられなかった場合は、見つけた子のカードを見せてもらい「ちょっと待って私の絵がどこにあるか分からなかった。見せて見せて。」と言ったり自分が1番に見つけた場合は「みんなの絵はどれだった??」と確認をしながら進めていきます。
この1つ1つの動作は「1番に見つけられた時」と「見つけられなかった時」を繰り返すため、見つけても見つけられなくてもゲーム自体が楽しいという感覚に心が変化していきます。
この時に「あっ!ここにあった!」や「うわっ。全然わからなかった」という言葉も大人がフォローしてあげるといいと思います。
ただ、このゲームの場合は、大人でも意外と見つけられずに苦戦する場合も多いので、わざとフォローすることがないところもいいところなのかもしれません。
そして終わったら、あー楽しかった!もう1回やろう!!と伝えることです。
そうやって、勝った。負けた。を繰り返していくことで、「ルールの中でゲームをすること」「負けてもまた次があること」「負けることがダメじゃないこと」を学ぶようになります。
これを何度か繰り返すと、子どもたち同士でこのゲームをしても同じように、「私のどこにあるか分からなかった!」と言って一緒に探したり、見つけられなかった子に対して、「みせて。みせて。」と気遣いを見せることができるようになります。
最後に
今回はゲームの中で「勝ち」「負け」の体験をしていくことをお伝えしましたが、ゲームや遊びの勝ち負けについて以外に、子どもがすごく頑張ったけど、思った結果が出せなかったという場合もありますよね。
その時は、泣いてもいい!頑張ったことを見ていたこと。その悔しいという気持ちがあなたをもっともっと成長させることを伝えてあげてくださいね。