冬になると肌がカサカサ痒い!それは乾燥だけでなく、「冷え」も関係しているかもしれません。

乾燥と思っていたら「冷え」だった?!
寒くなるとカサカサ、かゆ~い・・・そんな経験ありませんか?もしかすると、それは乾燥だけでなく、「冷え」も関係しているかもしれません。
今回は冬の乾燥肌について、医療法人幾嶋医院院長の幾嶋泰郎先生にお伺いしました。

その乾燥、もしかすると「冷え」からきてるかも?!

冬は湿度が低く肌が乾燥するので、保湿剤を塗ってスキンケアをしないと、乾燥して肌がカサカサになるといわれ、医師は尿素製剤やオリーブ油などの保湿剤を処方してきました。




ここでひとつ、私の体験をご紹介します。
私は頭がかゆい時があって、その時にシャンプーの後でヘアードライヤーで頭髪を乾かしていました。
その時、「ヘアードライヤーを一旦置いて頭を搔く」というのが面倒で、そのままドライヤーを当て続けました。
すると不思議なことに、しばらくするとかゆみが無くなっていました。ドライヤーで、皮膚を乾燥させていたにもかかわらず、かゆみが取れたのです。
かゆみの原因は乾燥ではなかったのかも?と思い、キツネにつままれた気分で、試しに腕やすね、腰回りの、乾燥してかゆいところに、1日に何回かかゆみがあるたびに温風を当てていたら、1週間ぐらいで、かゆみも取れ、カサカサもしなくなりました。
個人的な感想にはなるのですが、ドライヤーで温風を当てていたのですから、温めていたことになります。つまり乾燥肌の部分は乾燥しやすいのではなく、冷えやすさだとも考えられます。

昔いわれた「子どもは風の子」、じゃあ今は?

東洋医学では乾燥してカサカサになった皮膚は「血虚」といわれ、血液の循環が悪いと考えられています。温かい血液がその部分に通っていないので、その皮膚は冷たくなるのは当たり前です。
ドライヤーで温められたことで血管が開いてきて、カサカサの皮膚が次第に潤ったということも考えられます。
乾燥対策のために薬を飲んだり、保湿剤をつけたりすることも大切ですが、体を温めることも大切だといえるのではないでしょうか。

昔は「子どもは風の子」といわれるくらい、大人より幾分体温も高く、寒くても外で遊ぶことが多かったと思います。
しかし近年、ゲームやスマホなどの普及で、運動量が減ったと思われ、子どもの体温は低くなっているようです。
また身体を冷やす食べ物も多く、昔は夏にしか売れなかったジュースやアイスクリームも暖房の普及で年中食べられるようになりました。
朝起きるのが苦手な子どもも増えています。夜は外気温が低く寝ている間に身体を冷やして、自律神経の働きが悪くなっている子どもも増えています。

保湿ケアの他にも、身体を温め、冷えを無くすように生活を見直すことも視野に入れてみてはいかがでしょうか?

[執筆者]

幾嶋泰郎先生
医療法人いくしま医院理事長

[経歴]
所属学会:日本東洋医学会 日本産婦人科学会 日本老年医学会
1955年生れ。1980年 川崎医科大学を卒業 母校の外科で2年間の研修、福岡大学産婦人科で研修し、第一生命保険会社で診査医をしながら久留米大学産婦人科で学位を取得。
1999年父の診療所を継承し福岡県柳川市で無床診療所医療法人いくしま医院開業。現在理事長。
デイサービス、グループホーム、小規模多機能施設、住宅型有料老人ホームをスタッフに支えられながら運営。2022年4月よりオンライン診療を開始し、遠方の患者にも対応。
開業後に漢方に目覚め、福岡医師漢方研究会所属。柳川漢方研究会(現在、漢方やながわ宿)を立ち上げ、初心者の育成と自身の研鑚に努めているかたわら、新見正則先生が主催するYouTube「漢方jp」に出演し講演や対談をし、新しい漢方の在り方や使い方を模索している。趣味は風水と手相。自ら球脊髄性筋萎縮という難病(10万人に1人)を背負い、車椅子で診療を続けている。

医療法人いくしま医院ホームページ
https://www.ikushima.or.jp/

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