霊的なものだけが恐怖じゃない?

和子さん、山田さん、佐藤さんと続き、次はいよいよ私の番。私も何かを引き寄せてしまう体質なのか、身の回りで不思議な出来事がたびたび起こるので、どの話をしようか迷ってしまいます。考えを巡らせていると、ふとひとつのエピソードが頭に浮かびました。
あれは、食料品を買いにスーパーへ向かったときのことです。「よし、これで買いたいものは全部買えたな」そう思いながら出入口を出ると、目の前を歩いていたおばあちゃんが、突然つまずいて転んでしまいました。

私は慌てておばあちゃんに駆け寄り「おばあちゃん大丈夫?」と声をかけました。幸いケガはなく、意識もしっかりしているようで「えぇ」と返事をしてくれましたが、その後いくら話しかけても虚ろな表情のまま何かをつぶやいているだけ。やっぱりどこか打ってしまったのでは・・・と不安になります。

なかなか立ち上がらないおばあさんを見て心配したのか、いつの間にか周囲には様子を見守る人たちが集まってきました。するとその時、おばあさんが突然「私の名前、何だったかねぇ」と口にしました。その言葉を聞いた瞬間、サァーっと血の気が引きます。

その後もおばあちゃんは、「私の住所は何だったかねぇ」「私は今、何歳だった?」と、次々に私へたずねてきました。あの時は本当に怖かったです。幸い、転んだ衝撃で一時的に記憶が飛んでしまっていただけだったようで、おばあちゃんの記憶はすぐに戻りました。

「ね、コワいでしょ?」そう言うと、その場にいた3人は大きくうなずきました。こうして私の話は、満場一致で「一番コワかった話」に認定されたのでした。
コワいと感じるポイントは人それぞれですが、おばあさんが転んだことをきっかけに、一時的に記憶が飛んでしまったという出来事が、この4人にとっては一番コワかったようです。霊的な怖さとはまた違いますが、これもある意味『コワい話』と言えるのかもしれませんね。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:八雫 紫苑 編集:石野スズ
作画:きちやん
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