日常生活で試せる集中力アップの工夫
1)小刻みに取り組む
子どもの集中できる時間は短くて当然です。学習時間を5~15分など「短く」設定し、できたことをしっかり認めましょう。この方法は「行動活性化」という考え方に基づき、できたという成功体験を積むことでやる気を高める効果があります(Martell, Dimidjian, & Herman-Dunn, 2001)。
2)興味を活かした教材を使う
子どもが好きなテーマやキャラクターを取り入れると、集中しやすくなります。絵や写真など視覚にうったえる教材も効果的です。
3)勉強する環境を整える
おもちゃやゲームなどの気が散るものを片付け、できるだけ静かな場所で取り組みましょう。音や服の感触に敏感なお子さんには、イヤーマフや着心地の良い服を選ぶと安心して集中できます。
4)「集中と休憩」のリズムをつくる
「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれる方法で、25分作業+5分休憩を繰り返します。ただし、お子さんの年齢によっては10分作業+5分休憩でも十分です。
子どもとのコミュニケーションも大切
保護者は「集中できない=やる気がない」と考えがちですが、多くの場合、お子さん本人も困っています。「またできなかったね」ではなく、「5分できたね、頑張った!」とできた部分を具体的にほめましょう(Carr, 2006)。失敗したときは、「次はどうしたらうまくいくかな?」と一緒に考えることで、自分で解決しようとする力(自己効力感)を育てます(Bandura, 1997)。
専門家に相談する目安と窓口
次のような場合は専門家への相談を考えましょう。
・困りごとが半年以上続いている
・集中できなさが学習や友人関係に大きく影響している
・注意がそれやすく、衝動的な行動や落ち着きのなさが目立ち、日常生活に支障がでるほどである
相談先としては、児童精神科や小児科、心理士だけでなく、お住まいの地域の「子育て支援センター」や「発達相談窓口」も活用できます。役所や市町村の窓口では、医療機関につなぐ前の相談も可能です。早めに相談することで、お子さんが自信を失ったり、不安が強くなったりするのを防げます。
まとめ
集中力はある程度は「生まれつき決まるもの」ですが、成長とともに伸ばせる力でもあります。保護者の肯定的な関わりと日常の工夫、そして必要があれば専門家の支援を組み合わせて、お子さんが自信を持って成長できる環境を整えていきましょう。
【参考文献】
・Bandura, A. (1997). Self-efficacy: The exercise of control. New York:Freeman.
・Carr, A. (2006). 家族療法ハンドブック.
・Martell, C. R., Dimidjian, S., & Herman-Dunn, R. (2001). Behavioral Activation for Depression: A Clinician’s Guide.
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