原因がわからない。子どもの腹痛について浅草橋西口クリニックMo院長の頴川博芸先生にお伺いしました。

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こんな時は要注意!すぐにお医者さんに相談・受診が必要なサイン

次に挙げるようなサインが見られる場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。夜間や休日でも救急外来を受診することも考えてください。これは、虫垂炎(盲腸)、腸重積(ちょうじゅうせき)、重い感染症など、早く治療が必要な病気の可能性があるためです。

・痛みがどんどん強くなっている
・痛みがずっと続いていて、全然楽にならない
・痛い場所が移動したり、特定の場所(特に右下腹部)を強く痛がったりする (虫垂炎の可能性)
・お腹全体がカチカチに硬い、触るとすごく嫌がる
・痛みが強くて、夜中に目を覚ましてしまう
・何度も繰り返して吐く(特に緑色や茶色の液体、血が混ざっている場合)
・血便が出る(特にドロっとした、イチゴジャムのような赤黒い便に注意!)、強い痛みが波のように押し寄せてくる (腸重積の可能性)
・高い熱がある(38.5℃以上が一つの目安)
・顔色が悪く、ぐったりして元気がない
・水分を全く摂れない、おしっこが少ない、涙が出にくいなど脱水のサインがある
・お腹がパンパンに膨れている
・最近、お腹や背中などを強く打ったことがある

お家での対応と受診のポイント

お子さんがお腹を痛がったら、まずは落ち着いて次の点を観察してください。
・痛みの場所、いつからか、どんな痛みか、強さはどうか、何かすると楽になるか。
・熱、吐き気、下痢、便秘など、他につらい症状はないか。
・顔色はどうか、元気はあるか、食欲や水分を摂れているか。

そして、最も大切な注意点です。 自己判断で、お子さんに痛み止めを与えないでください。 痛み止めで痛みが一時的に和らいでも、原因となっている病気の診断が遅れてしまうことがあります。必ず医師の指示に従ってください。上記の「要注意サイン」が一つでも見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
そうでなくても、「痛みが長く続く」「なんとなくいつもと様子が違う」「心配で仕方ない」と感じたら、迷わずに医療機関に相談することが一番です。
病院ではお医者さんが詳しく話を聞き、お腹を触って診察します。必要に応じて血液検査やレントゲン、お腹のエコー検査などを行って、原因を特定し、適切な治療法を判断します。

まとめ

子どもの腹痛は日常的ですが、中には早く対応が必要な病気も隠れています。痛みの様子だけでなく、お子さんの顔色や全身の状態、他の症状などもよく見てあげてください。特に「こんな時は要注意!」というサインを見逃さないことが大切です。

少しでも不安を感じたら、「大丈夫かな」と悩むよりも、医療機関に相談するようにしましょう。それがお子さんのため、そして親御さんの安心のためにもなります。





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