勉強を嫌がって長続きしない時はどうしたらいい?勉強習慣がない子どもをやる気にさせるには成功体験を積み重ねることが大切です。

子どもが勉強を嫌がる、どうしても長続きしない・・・そんな悩みはありませんか?
今回は、1教室で1,000名以上の生徒が通う学習塾の校長経験もある、株式会社脳レボ代表取締役の川谷 潤太さんに勉強習慣を身に付けるコツについてお答えいただきました。

子どもに勉強の習慣をつけたいと思っても、やる気が出ない、苦手意識がある、叱ってやらせても長続きしない・・・。こうした経験をお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか。
子どもが自然と「勉強しよう」と思うようになり、勉強習慣が身につくには、少しだけ工夫が必要です。
ここでは、勉強の習慣化を助けるための効果的な方法を3つご紹介します。
お子さんが少しずつ前向きに取り組めるようになるヒントをお届けします。

1.小さな「できた」を積み重ねて、勉強の習慣をつくる


勉強の習慣をつくる際の最大の敵は『できなかったという気持ち』です。決めた通りにできなかった、サボってしまった・・・。こういった自分ができなかったというがっかりした気持ちを持つと次から勉強をやろうというやる気が起きにくくなってしまいます。
勉強が苦手な子どもは、最初から多くのことをやらせようとするのではなく、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。
まずは「勉強机に座るだけ」「問題集を1ページだけ解く」でも構いません。取り組みやすい小さな目標から始めましょう。こうすることで、お子さんは「できた」という気持ちを持ちやすくなり、勉強に対する自信を少しずつ積み重ねられます。親が「今日はここまでできてすごいね!」と声をかけて成功体験を認めることで、脳が「できるんだ」という成功のイメージを強化し、ポジティブな気持ちで次の勉強にも取り組みやすくなります。
また、子どもが取り組んでいるときに親が一緒に関心を持つと、安心して集中力を高められます。こうした親のサポートが勉強習慣の定着に大きな力を発揮します。

2.苦手意識を減らし、好きなことから始めて脳を「ドーパミン」状態に

勉強を始めるとき、いきなり苦手な科目や難しい課題に取り組むと、子どもがやる気を失ってしまうことがあります。そんなときは、まず「好きなこと」から始めるという方法を試してみてください。
例えば、最初の5分だけ、好きな科目や得意な分野(簡単な計算や暗記など)をやってみると、集中のスイッチが入って勉強への意欲が高まります。脳科学的には、この時には「ドーパミン」という脳神経細胞がつながる脳内ホルモンが分泌されており、やる気が高まったり、学習効果が上がったりすることが知られています。このように気分が高まった状態で苦手な課題に取り組むことで、集中力が持続しやすくもなります。
さらに、勉強前に家族で楽しい話をしたり、リラックスできるテレビ番組を一緒に見たりするなど、勉強に取り掛かる前にリラックスする時間を設けるのも効果的です。脳がリラックスしている状態だと、情報がより入りやすくなり、勉強への前向きな姿勢が育まれます。

3.やることを「1つ」に絞り、シンプルに勉強を進める

勉強が苦手な子どもにとって、やるべきことが多すぎると頭がパンクし、逆に勉強が嫌いになってしまいます。情報量を減らして「これだけやろう」というシンプルな目標を立てると、勉強への取り組みやすさが格段に上がります。
例えば、「今日はこのプリント1枚だけ覚えよう」など、具体的な1つの課題に集中させると、取り組みやすく、達成感も得やすくなります。最初から何科目も一気にやるのではなく、「問題集1ページだけ」や「宿題だけ」といったシンプルなアプローチが有効です。
また、親も「終わったら確認しようね」といったように、最初から目標を明確にしてあげると、お子さんが自分のペースで集中して取り組むことができます。親もサポートする気持ちで関わることで、お子さんが安心して学習できる環境が整い、勉強へのモチベーションも高まります。
もしも、勉強した先に『志望校合格』などの目標がある時には、合格した後の『楽しい生活(部活動や友人など)』をイメージすると勉強する目的が明確になるため、やる気を長続きさせることができます。

まとめ

子どもが勉強の習慣を身につけるには、小さな成功体験の積み重ねや好きなことから始める工夫、そしてシンプルな目標設定が重要です。親子で楽しみながら、ポジティブな気持ちで勉強に取り組むことで、やがて勉強が日常の一部となり、継続して取り組む力が育まれます。
ぜひ、これらの工夫を日常に取り入れて、お子さんが無理なく勉強習慣を身につけられるようサポートしてみてください。

[執筆者]

川谷潤太(かわたに じゅんた)
株式会社脳レボ代表

兵庫県の大手学習塾において、当時最年少で校⻑に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う学習塾に発展させ、講師研修や入試特番テレビのコメンテーターなども務める。
その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革とスポーツメンタル指導を担当。史上最速、創設1年、全員1年生で甲子園に出場した硬式野球部では3季連続甲子園出場を果たし、6名のプロ野球選手が誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部では日本一や世界一の選手も輩出した。
2019年に株式会社 脳レボを創設し、オリンピック選手やプロ野球選手など、アスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども‧保護者‧教員向けの教育講演、企業の人材育成マネジメントや研修などを手がけ、講演回数は7年間で1,300回以上、受講者も10万名を突破。
脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした、具体的かつ実践的な手法により、多くの方の願望目標達成をサポートしている。

株式会社脳レボ
https://nourevo.co.jp/

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