正しい知識で正しい対処を。感染性胃腸炎についてクリニック院長の高木先生にお伺いしました。

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症状が出た場合の対処法

特効薬はなく、対症療法が治療となります。
[1]水分補給
嘔吐や下痢で体内の水分と塩分が失われるため、経口補水液(ORS)やスポーツドリンクでこまめに補給しましょう。
[2]食事に注意
可能なら一旦絶食とし、症状が改善後は消化に優しい食品(おかゆやスープなど)を選び、胃腸への負担を軽減してください。
[3]安静を保つ
無理な活動を避け、体力回復に専念しましょう。
[4]医療機関の受診
症状がひどい場合や、症状が長引く場合には、医師の診察を受けることが必要です。

予防するためのポイント

ノロウイルスの予防には、日常生活での以下のような習慣が重要です。
・手洗いを徹底
トイレの後、調理前や食事前には、石けんを使用し30秒程度しっかり手を洗う習慣をつけましょう。
・食品の適切な加熱
特に二枚貝(例:牡蠣)は、中心温度が85~90℃で90秒以上の加熱が必要です。
・環境の消毒
嘔吐物や便が付着した場所は次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液(次亜塩素酸ナトリウム入りの漂白剤10mLに対して、水0.5Lの希釈が目安)で拭き取ることが推奨されます。
・体調不良時の食品調理を避ける
感染者が食品を扱うことで家庭内感染が広がるケースが多いため、体調が悪い場合は調理を避けましょう。

知っておきたいこと

ノロウイルスは非常に感染力が強く、少量のウイルスでも感染が成立します。そのため、感染者と接する際にはマスクと手袋を着用し、嘔吐物処理の後には手洗いや消毒を徹底することが大切です。また、現在ワクチンは存在しないため、予防策を日々実践することが最大の防御策となります。
日頃から簡単に取り入れられる対策を積み重ねることで、感染を予防し、自分や家族を守ることができます。

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