正しい知識で正しい対処を。感染性胃腸炎についてクリニック院長の高木先生にお伺いしました。

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ノロウイルスについてどのくらい知っている?今回は四谷内科・内視鏡クリニック院長の高木謙太郎先生にお話を伺いました。

ノロウイルス感染性胃腸炎:知っておきたい基礎知識と対策

寒い季節になると流行しやすいノロウイルスによる感染性胃腸炎。この感染症は非常に感染力が強く、家庭や職場、学校や保育園などで集団感染が起きることも少なくありません。そこでこの記事では、ノロウイルスの基本情報とともに、日常生活で実践できる予防法や、もし症状が現れた場合の対処法について詳しく説明します。

ノロウイルスとは?

ノロウイルスは、感染力の非常に強いウイルスで、経口感染を主な感染経路としています。感染者の嘔吐物や便、汚染された食品や水を介して体内に入り、感染が広がります。また、ウイルス自体が環境中でも長期間生存するため、注意を怠ると容易に広がってしまいます。特に冬場(11月から2月)に流行することが多いのは、ウイルスが低温環境で安定しやすいからです。
ノロウイルスの主な感染経路は以下の通りです:
[1]経口感染
ノロウイルスに汚染された食品(特に加熱不十分な二枚貝など)を摂取することで感染します。また、感染者が調理した食品を通じて感染することもあります。
[2]接触感染
感染者の便や嘔吐物に触れた手や指を介して感染します。トイレのドアノブなど、感染者が触れた物を通じても広がります。
[3]飛沫感染
感染者の嘔吐物が飛散し、その飛沫を吸い込むことで感染する場合があります。
[4]空気感染
嘔吐物や便が乾燥し、空気中に漂うウイルスを吸い込むことで感染することがあります。

主な症状

感染した場合、潜伏期間として24~48時間があり、その後以下の症状が現れることが一般的です。
・吐き気や嘔吐:特に乳幼児には嘔吐が強く現れることがあります。
・下痢:水様便が出ることが多く、脱水症状に繋がることも。
・腹痛:下腹部に鈍い痛みを感じることがあります。
・発熱:37~38℃程度にとどまる場合がほとんどですが、まれに39℃以上の高熱を認めることがあります。
多くの場合、症状は数日で収束しますが、乳幼児、高齢者、持病を抱え免疫力が低下した方などは重症化するリスクがあり、入院が必要となる場合もあります。

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