イジメに負けなかった小2の私


成人式に現れ、テレビや新聞で紹介されるほどになっていたまるさんに「恩師として紹介して」と媚びてきた性根先生。今では離婚し、様見呂という苗字になっていました。それよりも底辺小学校で今でも教師を続けていることがわかって驚いたまるさんです。

よーちゃんがまるさんにコッソリ耳打ちしました。「先生、噂だと子どももグレて出て行って消息不明らしいよ。」まるさんはギョッとしました。なぜなら。

自分が1人になって寂しいから毎年わざわざここに来て、生徒を見つけては声をかけてるの?と考えたからです。

なんという憐れな人生なのでしょうか。久しぶりに嫌な思い出の中心にいた先生に会ってしまい、怒りがよみがえっていたまるさんでしたが、自分の教育が正義と信じ込み、人の気持ちを考えないところが以前と全く変わっていない先生を目の当たりにしたことで、ふと今までとは違う気持ちになり、気持ちを落ち着かせることができたのです。

「分かりました。先生を紹介させていただく時までちゃーんと覚えておきますね。」まるさんは笑顔になって様見呂先生に伝えました。

まるさんの言葉を聞き、わかりやすく喜んだ様見呂先生です。

様見呂先生は、興奮冷めやらぬ感じで「さすがまるさんだわ!絶対よ!約束よ!有名になるのよ!先生を紹介するために!」と、変わらず自分本位なことばを並べたてたかと思うと

目的は果たせたと思ったのか、もう次の教え子に目を向けました。「あっ山根くんだわっ」と言うと、もうまるさんはそっちのけで山根くんめがけて走り去ったのです。

大人になった山根くんがサッカー実業団にいるという情報をどこで調べたのか、様見呂先生は山根くんに「今度取材されたら先生のこと・・・」と、またしても媚びていました。山根くんが小さく「うわっ」と言って引いていたのは言うまでもありません。まるさんとよーちゃんはそんな様見呂先生の様子を黙って見つめていました。

自分がした酷い事も都合良く記憶を書き換え、自分の子どもがいなくなったから、かつての教え子に媚びて回っている様見呂先生。

可哀想な人やね、とまるさんはスッキリした笑顔でよーちゃんに言いました。

久しぶりにいろいろな人に会った成人式でした。
「性根腐子改め様見呂腐子先生。見てくれてますか?」

「あなたのお望み通り、しっかり紹介させていただきましたよ。」
これが、小2で担任の先生から執拗にいじめられても負けなかったまるさんのお話です。
自分の行いは、いずれ自分に返ってくる。昔から言われていますよね。まだ2年生なのに毅然とイジメに立ち向かっていたまるさん、そして信念を貫き、正しい行動で娘を守ったまるさんのお母さんは素晴らしかったと思います。
※この話は身バレ防止のため実体験にフィクションを加えてオーバーに描いております。
登場人物名、場所は架空のものとし、創作漫画としてお読み頂けると幸いです。
[作者]まる
9歳の面白息子アキを育てるアラフォー母です。
[編集]ママ広場編集部
思わぬ形で紹介され、有名になってしまいましたね、様見呂先生。