冷たい物を食べると歯がしみる!?⼦どもでも起こり得る知覚過敏についていしはた歯科クリニック石幡先生にお伺いしました

子どもが冷たい物を食べると歯がしみる!というけれど、子どもでも知覚過敏ってあるの?そんな疑問について、医療法⼈社団樹伸会いしはた⻭科クリニック理事長 石幡一樹先生にお答えいただきました。

子どもにも知覚過敏はあるの︖

子どもにも知覚過敏はあります。「知覚過敏=大人がなるもの」とイメージしてしまいますが、年齢に関係なく起こるものです。
知覚過敏は、虫歯、酸性の飲み物を習慣的の飲む、歯磨き粉つけすぎ、歯ブラシの力が強すぎ、歯石除去などでエナメル質が傷付き、象牙質がむき出しになったところに、飲食をすることで痛みを感じます。
知覚過敏にならないために、力強くブラッシングしない、極端に冷たいものや熱いものを避ける、睡眠中に歯ぎしりをしていないかなど、注意しましょう。特に最後に書いた歯ぎしりが顕著なケースで、象牙質もすり減ってしまい、歯の神経まで達し、激痛で来院されたお子さんに出会ったことがあります。
歯ぎしりが原因で知覚過敏を引き起こしているケースでは、大人に対する治療と同様にナイトガードを適切に使用することでそれ以上の進行を食い止められます。
何故子どもが夜間に歯ぎしりをするのかについては、ストレスが原因という見解もありますが、わかっていないことが多いです。
何が原因で知覚過敏になっているのかを歯科医院できちんと診断してもらい改善していくようにしましょう。

冷たいものがしみるときは、どうしたらいい?

冷たいものがしみるときは、下記のような対応ができます。
A しみ止めを塗る
露出した象牙質に塗る、しみ止めの薬を使⽤します。症状の軽減が期待できますが、根本的な解決にはなりません。
B フッ素塗布して再石灰化
歯科医院では、高濃度のフッ素を取り扱うことができます。フッ素を塗布することで歯の再石灰化を促し、エナメル質からのミネラルの溶け出しを抑制します。虫歯や知覚過敏の予防としても有効です。
C レジンでカバーする
レジンというプラスチックを充填することで、露出した象牙質を覆い、刺激を及ばなくすることで、知覚過敏が起こりにくくします。
D マウスピースをする
透明のマウスピースを使用し、歯の擦り減りを予防します。これ以上の症状悪化を防ぐための治療です。就寝中に使⽤するマウスピースは、ナイトガードと呼ばれます。歯ぎしりの軽減、歯の擦り減りの予防といった効果が期待できます。
E 神経を取る
上記のような治療では痛みが軽減せず、日常生活に支障をきたしている場合には、神経を取るという方法もあります。神経を取ると、痛んだりしみたりといったことはなくなります。

原因がわかれば症状を治すことは比較的容易だといえます。症状が酷くならないうちに、早めの対応を心がけてくださいね。

執筆者

石幡一樹先生
いしはた歯科クリニック院長

[経歴]
歯科医師・博士(歯学)
2006年 昭和大学歯学部 卒業
2011年 東京医科歯科大学部分床義歯補綴学分野大学院 博士課程修了
2012年 埼玉県久喜市にていしはた歯科クリニックを開院
2020年 医療法人社団樹伸会を設立
2022年 久喜総合歯科を開院

医療法人社団樹伸会 理事長
日本補綴歯科学会 専門医
日本顎咬合学会 認定医
日本歯周病学会
ITI Member

昭和大学歯学部を卒業後、東京医科歯科大学大学院部分床義歯補綴学分野にて博士課程を修了。
2012年に埼玉県久喜市にて開業、2020年に医療法人化し、2023年現在は本院と分院の2クリニックを運営する。
縁ある人を幸せにする歯医者を信念とし、「患者が生涯しっかり噛める治療」を理念に診療をおこなう。
指導医である父、石幡伸雄より顎関節症の治療法を教わり、短期間で顎の痛みだけでなく、関節雑音も治せる治療法を全国に普及し歯科界に貢献するため、多数の講演活動をおこなっている。

いしはた歯科クリニック 
https://ishihata-dental.com/

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事