[前編]小さな子供にも知覚過敏があるの?!子どもが口の痛みを訴える原因は?パレスサイドビル歯科院長、石岡先生に伺いました!

「小さな子供にも知覚過敏があるの?!」
子どもが歯痛の痛みを訴えたけれど、特に虫歯はなさそう・・・これって知覚過敏?もしそうならどんな対処ができる?予防は?そんな悩みに、パレスサイドビル歯科院長、石岡麻美子先生に前後編にわたってお答えいただきました。
今回は前編です。

ある休日の昼の時間、
子ども(未就学児):「ママ、氷が入っている冷たいお茶を飲むと、歯が痛い!」「パパ、チョコレートを食べていたら歯が痛い!」
ママ、パパ:「この間、歯医者さんに行って、診てもらったばかりでないの!本当に痛むの?」、しばらくして「あの歯医者さん、虫歯はないと言われたけれど、しっかり診てくれたのかしら?」
このような会話は、通常に起こりそうな状況ではないでしょうか。
子どもの口の中を見てみるけれど、唾液で湿っていてよく見えないし、分からない。歯に穴が開いているようでもない。ママ、パパは、その時は歯科医院に行こうかと思っても、子どもの歯磨きの時には、もう痛むとは訴えない。そのうち子どもも全く何も言わなくなり、何もなかったようになる。仕事、育児、家事に追われ、そうこうしているうちに、3カ月に一度の歯科定期検診が訪れ、子どもは機嫌良く歯医者さんに行く。その結果、何も問題なし。ママ、パパはあの数カ月前の痛みは気のせいだったのかしら・・・と思い返す。
こんな経験はありませんか?もしかするとそれが知覚過敏だったのかもしれません。

知覚過敏とは?

「知覚過敏」とはなんでしょう?歯の表面のエナメル質が傷ついて、内側の象牙質がむき出しになったところに、熱い物、冷たい物、甘い物などの刺激や、歯ブラシの先が当たると痛んだりします。また強いブラッシング圧やストレスなどの食いしばりにより、歯と歯茎の境目に溝(くさび状欠損)ができると、普通の水でもしみるようになります。
このように、歯の神経が刺激に過敏に反応してしまう状態のことです。

子どもの知覚過敏

では、子どもにも知覚過敏はあるのでしょうか。
答えは、乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄く、知覚過敏を起こしやすい歯といえるため、子どもにも知覚過敏があります。ただ、実際は、知覚過敏症状(しみる)を訴えるお子さんは少ないといえます。特に、小さな子どもは、口の中の感覚に鈍感なところが多く、また「しみる」という感覚がわからないことが多いので、「しみる」ことも「痛い」と表現することが多いからです。また、大人のように食いしばりなどによる、歯と歯茎の境目の溝も、乳歯にはほぼ見られません。虫歯でないなら、たまたま乳歯が弱っていて(例えば、食事を始め、甘い物をダラダラ食べ続けていた、などの習慣があると、歯の表面よりミネラルが溶けだし歯は弱ります)、熱い物、冷たい物、甘い物などに、乳歯が過剰に反応してしまい、乳歯の知覚過敏になる可能性があります。

子どもが口の痛みを訴える原因は?

・虫歯による痛み:未就学児の子どもが虫歯で痛みを訴える時、虫歯はかなり進行している可能性が高いです(特に甘い物で痛みが誘発されることが多い)。歯科医院での治療が必要となります。
・歯が折れている時、欠けている時:神経を抜いた歯で治療をすでに終わっているが、その歯が割れたり、欠けたり、その破片が歯ぐきに突き刺さったりすることもあります。こちらも、歯科医院での治療が必要となります。
・歯が生え変わる時の痛み:違和感、痛みを生じます。乳歯が取れると痛みは自然になくなります。ママ、パパが抜けないときは歯科医院にて抜いてください。
・口内炎による痛み、歯ぐきや舌を噛んでしまった傷の痛み:自然に治る場合も多いですが、口内炎が治らない場合は歯科受診をお勧めいたします。
・知覚過敏による痛み:熱い物、冷たい物、甘い物などを食べて、何かしら症状がしばらく続く場合、歯医者さんに虫歯かどうかをみてもらうのが一番ではありますが、熱い物、冷たい物、甘い物をしばらく避け、ダラダラ食べを避けてください。フッ素やミネラル成分入りの歯磨きペーストを使ったり、歯に塗ったりして、歯を丈夫にするのも方法のひとつです。症状が続くようでしたら、歯科受診をお勧めいたします。
・まれに中耳炎による痛みを歯の痛みと勘違いする痛み:歯科医院にて歯や粘膜に異常がなかった場合は、耳鼻科受診されてください。

いかがでしたか?
後編では、お子さんが歯の痛みで辛い思いをしないよう、ママ、パパができる予防方法についてです。

後編へ続きます。

執筆者

石岡麻美子先生
皇居に近い立地で、東西線竹橋駅直結 毎日新聞社本社パレスサイドビル内にある、早稲田医学院歯科衛生士専門学校直営のパレスサイドビル歯科の女性院長。
パレスサイドビルおよびその周囲で働くビジネスマンの方々の歯の健康維持に尽力している。
長崎大学歯学部卒業。
中国北京にて4年間駐在経験あり。
日本歯科医師免許の他に中国北京外国人歯科医師免許を取得。
日本語および中国語にて診療可能。

パレスサイドビル歯科
https://paleceside-dental.com/

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