好き嫌いが多い子はカロテン・鉄・亜鉛が不足しがち。食材と摂り方のコツ教えます!

食べ物の好き嫌い。
特に子どもの場合はどうしても、ありますよね。
でも、あまりにも食べないと「栄養が不足しているのでは?」と不安になることも。
好き嫌いが多いと、どんな栄養が不足しているのでしょうか?



好き嫌いの多い子供はカロテン・鉄・亜鉛が不足がち!?

バランスの良い食事をしっかりと子供たちに提供する。
どの親も、子供たちの食事には気を配り、しっかり食べてほしいと願っていますが、子供に嫌いなものや苦手なものがあると、どうしても難しいものですよね。
好き嫌いの激しい子と、そうでない子は、栄養摂取にどのような差があるのでしょうか?
英国の長期疫学研究班が6千人の子どものデータから偏食の度合いと食生活を分析した結果、以下のことが明らかになりました。
これはある程度予想がつくことかもしれませんが、好き嫌いの多い(PE:Picky Eating=好き嫌いをする)子供は、やはりビタミンやミネラルの摂取量が、そうでない子供に比べて少ないそうです。
中でも、PEの子供に特に不足しがちな栄養素はカロテン・鉄・亜鉛とのこと(出典:Am J Clin Nutr. 2016 Dec; 104(6): 1647?1656.)。
カロテンは緑黄色野菜に、鉄はレバーやイワシ・小松菜に、亜鉛は牡蠣やレバー・煮干しやナッツ類に多く含まれますが、確かに上記の子どもに不人気な食材と一致します。
また、この報告では、PEの子供とそうでない子供の間に総摂取カロリー量に大きな差はなかったものの、PEの子供は肉・魚・野菜・果物の摂取量が総じて低く、甘いお菓子や加糖飲料の摂取量が成長とともに多くなる傾向があると報告されています。

不足しがちな栄養素を補う食材と摂り方のコツ

偏食が多い子どもが不足しがちな3つの栄養素を補う食材をご紹介します。
子どもが小さいうちはあまり気にせず、食べられる食材から摂ることを心がけてもいいかもしれませ
ん。
■不足しがちな栄養素とその摂り方

栄養素 含まれる食材 ポイント
ビタミンA カロテン:緑黄色野菜、スイカなど
レチノール:レバー、あんきも、うなぎなど
ビタミンAは脂溶性なため、調理の際に油脂を使用すると吸収率がUPします。
鉄分 ヘム鉄:貝類(あさりやしじみ、牡蠣など)、レバー、卵、牛肉、まぐろ、イワシなど
非ヘム鉄:ほうれん草、小松菜、海藻、枝豆、切り干し大根など
ヘム鉄は吸収が良いが、非ヘム鉄で摂取する場合は、たんぱく質・ビタミンC・有機酸(果実等に含まれる)と一緒に摂るとよい。
お茶(タンニン酸)や玄米(フィチン酸)と摂ると吸収が阻害されるので注意!
亜鉛 牡蠣、イワシ、煮干し、レバー、カシューナッツ、アーモンド、うなぎ、しらす干し、きな粉、豆腐など 吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCやクエン酸(お酢や梅干し、柑橘類に含まれます)と一緒に摂ると吸収率がUPします!

子供のころからの食習慣はなかなか大人になっても正せないものです。
成長期の子供の食事は、しっかり考えてあげたいですね!



苦手な食材を食べさせたいときは?

栄養をしっかり摂らせたいと考えるママたちは、つい子供にうるさく注意してしまいますよね。
でも、年齢が上がるごとに、偏食は改善していくとのデータもあります。
オランダで行われた調査によると、3歳のときに偏食な子どもは27.6%でも、6歳の時には13.2%に減少するそう(出典:Int J Eat Disord. 2015 Sep;48(6):570-9.)。
栄養には気を付けつつも、健康や成長に影響が出ていないときは、あまりガミガミ言わず、忍耐強く接することが大切かもしれません。
また、苦手な食材を食べさせるのにも、コツがあるようです。
ネスレがおこなった調査によると、親だけで準備をした時よりも、子供に食事の準備を手伝わせると、野菜などをたくさん食べるようになるとのこと。
食べさせたい食材があるときは、一緒に準備をすると効果がありそうです(出典:Appetite. 2014 Aug;79:18-24.)。
コロナウイルスの影響もあり、急に時間ができてしまったというお子さんも多いと思います。
親子で一緒に料理をするのもいいかもしれませんね!

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