張り切る義両親にぐったり

義母が息子いののために選んでくれる兜はどれも大きく立派な物ばかり。私はマンションの置き場のこともあるし、小さくて可愛いものが買いたいのにダメ出しされっぱなし。義実家に言った時にはっきり断らなくてはと思っていると、義父が私たちの気持ちに理解を示して「悪かったね」と言ってくれたので安心ました。ところが義父が鯉のぼりはこちらで用意すると連絡してきて以来、「これはどうですか」「こちらも大きくてかっこいいです」「これなんか金ピカです・・」と、次から次へと義母からメールが送られてくるようになりました。

どれも戸建て用の大きくて立派な鯉のぼりばかり。マンションには飾れそうにありませんが、それでも義母はめげずに毎日鯉のぼりの写真を送ってきて、義父は義父で鯉のぼりスイッチが入って夫への電話攻撃が始まりました。
「『いよさん達の意向を聞かないとね』じゃなかったの!?」とため息が出てしまいます。

「親父がやばい・・暴走してる・・毎日大量に電話かけてくる・・」とさすがに毎日義父からの電話を受ける夫も疲れてしまったようです。
「お義父さんってあんなキャラだったっけ・・」と私も確認してしまうほど。「いや、そんな事なかったんだけどなぁ・・」と夫は暗い顔で答えました。
夫とそんなやりとりをしていると、ひなが「ばあばから電話?」と言ってこちらにやってきました。

夫が「そうだよ~。鯉のぼりを買いたいんだって!」と伝えてひなの顔を見た私たちは「こいのぼり・・」と小さく呟いて暗い顔をしている娘に驚きました。

ひなは急に「うわぁあああん!!やだぁ~!こいのぼり・・買っちゃやだぁあー!!」と泣き出してしまいました。何が起こったのかわからず慌てる私たち。「ひなちゃん?どうしたの?」と聞いても「買っちゃやだ」と泣くばかり。困ってしまいました。
兜の購入は、お義父さんの理解あるひと言でいよさんの好みのものを買える方向へ向かいそうでしたが、せめて鯉のぼりは、といういのくんを想う気持ちがどんどん膨れ上がってきてしまったのでしょうか。本当に、気持ちだけは嬉しいのですけれどね。パパとママが5月飾りの準備に困っていると気づいたのでしょうか、ひなちゃんの涙の理由が心配ですね。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
脚本・編集・作画:めめ
のらりくらりと育児をしながら日常のイラストを描く3児の母。