自分のやらかした事を棚に上げキレイに去っていく

自分のサインはせず、義父のサインだけが書かれていた婚姻届。生活費はここから使うようにと渡していた通帳も残高はほぼなく、長女アケミさんには「これでわかったでしょ。騙されてたんだよ、お父さん」と言われても「そんなことない・・俺はカズちゃんを信じる」と言い張ったお父さんをよそに、「警察に届けた方が良いよね」と話し合うアケミさんとケイコさん。その話をナツさんから聞いた友達が、「予想通り。ベタすぎる展開に驚く」と愕然としていると、「でもね、ここからがカズハさんすごいなって思ったところで・・」とナツさんが話し始めました。
「カズハさんがいなくなって、しばらくしてカズハさんから手紙が届いたの」とナツさん。
手紙には、
「たっくんお元気ですか?突然たっくんのそばからいなくなってごめんなさい。実は、たっくんに言わなければいけないことがあります」
と書かれていました。

「私のお腹の子は、たっくんの子ではありません。たっくんと知り合ってから、どんどん惹かれていく自分がいました。でも、たっくんは全然相手にしてくれなかった・・」
手紙を読みながら、義父は以前居酒屋で「好きなの!」と言うカズハさんに、「またまた~!ありがとありがと」と軽くあしらって取り合わなかったことを想い出しました。

「私はたっくんのそばにずっといたくて、たっくんの子だと嘘をつきました。一緒にいてくれると言われた時、私はとても嬉しかった・・」
「・・私のお腹に赤ちゃんがいるの。私と一緒にいてくれる・・?」と突然言い出したカズハさんのことを想い出しました。

「でも、たっくんの家族に迷惑をかけることに、どんどん心が苦しくなって・・もう耐えられなくなってしまったの。これ以上は迷惑をかけられない。そう思って、この子と2人で生きていこうと決めました。

「たっくん、幸せな日々をありがとう。これからは、たっくんのご家族と仲良く暮らしてください。いつまでもたっくんの幸せを願っています。探さないで。さようなら」
そう書かれた手紙を読み、「かっ・・・カズハーーーっ!!」義父は大声で叫んだのでした。
アケミさん、ケイコさんにカナメさんの3人が実家に集まり、義父のサインしか描かれていない婚姻届を差し出す長女アケミさん。義父が実は再婚していなかったということが発覚。おまけに生活費用にと渡していた通帳には残高がほぼなく、「これでわかったでしょ。騙されてたんだよ、お父さん」とハッキリ伝えるも、「そんなことない・・俺はカズちゃんを信じる」と言う義父の話は聞かず、「警察に届けた方がいい」と話し合う姉妹。「いや俺はカズちゃんを待っている!!」と言い張る義父に「でも根こそぎ取られてるじゃん」とバッサリ。そんな展開を友達に話すナツさんが、ここからがカズハさんのすごいところ、とカズハさんから送られて来た手紙を読み上げました。
「私のお腹の子はたっくんの子ではありません。たっくんのそばにいたかったけれど、たっくんに迷惑を掛けられない。この子と2人で生きていこうと決めました。探さないで。さようなら」
そう書かれた手紙を読み、「かっ・・カズハーーーっ!!」と空に向かって叫ぶのでした。
お腹に義父の子がいると嘘をつき、婚姻届は書かずに結婚もしないまま、亡くなったお母さんが残したお金と、義父から渡された通帳を使い果たして去って行ったカズハさん、でもまだ、やりたいことを全てやり尽くしたとは言えなさそうですね。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。