隠すことでも無いが言うのを迷う内容でもない「初めての相手」

聞きたくない話をユキさんがしつこくするので席を外したのに、ユキさんが「ルカちゃん」とフレンドリーに言いながら近づいてきました。私は娘マユを席に戻し、ユキさんと2人きりになりました。
「さっきは、ごめんね。ユウトの昔の話聞きたいかなって思ったんだけど、もしかして気を悪くさせた?」とユキさんは笑顔で言いました。「いえ、気にしてないです。」と私も笑顔で返したけれど、夫が昔ユキさんのことが好きだったっていう話を誰が聞きたいっていうの?

私の反応を見て、ユキさんは「そっか。じゃ、もしかしてあのこと聞いてる?」と意味深に言ってきました。気にしてないと言ったのがダメだったのかな。「何をですか?」と返しながら私は思いました。

「言おうか迷ったんだけど・・・これからもルカちゃんとは長い付き合いになると思うし、知っておいてほしいと思って。」と、ユキさんはすごい秘密があるような言い方をしてきました。いやな予感。

「ユウトの初めての相手なんだ~。」ユキさんは言いました。それ、言おうか迷って、私と長い付き合いになるからって伝えることなの?私は固まってしまいました。

「え・・・」かろうじて出た声に、ユキさんは「あっ!やっぱりそれは聞いてなかったんだ。そっか、ユウト話してなかったんだ~」と勝ち誇ったような笑みを浮かべて言いました。

「高校の時、アサヒにフラれて私が落ち込んでてね。その時、ユウトが慰めてくれて・・・その流れで。そっかそっか、ユウトは話してなかったんだ。」って、そんな詳細なんて私が聞く必要あるのかな。私は無言のまま立ち尽くしていました。

「隠すことでも無いのにね。」と、もう一度ユキさんはおもしろそうに言いました。ユウトが隠していたというより、現在妻の私にわざわざ言う必要のないことだと思うけど。
同じ場所にご主人のアサヒさんも、高校生のサクラちゃんやリョウくんもいて聞いているのに今は奥さんも子どももいるユウトさんの恋の話をしたり、奥さんに初めての相手の話をするユキさんにはルカさんに対してただ嫌いというだけではない特別な感情があるように思えてしまいますね。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:dechi
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