逐一義母に報告する夫[9]家にひとり取り残された母

悪びれる様子もなくテーマパークへ行くと言う夫のことばに固まった私。夫はなおも「今日までのイベントがあるらしくて、リナに聞いたら行きたいみたいでさ~。」と、私の気持ちなど全く気にしていません。

「え、待って今から?」夫のことばが信じられず確認してしまった私。だって、私今何しているか知ってるよね?家族で祝うリナの誕生日会の準備をしているのよ?それでも夫は「せっかくだしこのまま行こうかと思っててさ。」と言うのです。
「リナに代われる?」楽しそうな夫に伝えました。

「リナ?今からテーマパークに行く約束したの?」動揺を悟られないように普段通りの口調で聞いてみると、とても嬉しそうな、ワクワクしたリナの声が返ってきました。「うん!ばーばが今から連れてってくれるんだって!楽しみ!」
そりゃそうだよね。大好きなテーマパークに行けると聞いてリナが大喜びしない訳がない。秘密に準備しているお誕生日会のことなんて知る由もないし。行かないで、何て言えるわけがない。母親として、娘に楽しんできてほしい。だから私は「そっか・・・」と言うしかありませんでした。

「そっか。じゃあパパと楽しんできてね!」と言うと、「うんっ!」リナは元気よく返事をしました。夫に「じゃ、行ってくるわ~」と言って電話を切られたあと、私はしばらくその場に呆然と立ち尽くすのでした。

あ。ケーキ、取りに行かなきゃ。頭が真っ白でボーッとなりながら、私はケーキ店へ向かいました。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:みつけまま
2020年生まれ長男・2023年生まれ次男を育児中のワーママです。
育児の記録のため、絵日記をゆるゆると描いています。