
お医者さんに頼めば処方してもらえるの?
マンジャロは医師の処方箋が必要な医療用医薬品です。市販では買えません。
では「医師に頼めば誰でも出してもらえるか」というと、これも違います。
医師は、病気の有無、体格、持病、飲んでいる薬、妊娠の可能性、副作用のリスクなどを確認し、本当に必要かを判断する責任があります。
残念ながら最近は、一部の美容クリニックやオンライン診療で、健康保険のきかない「自由診療」として、ダイエット目的で手軽に処方されてしまうケースが増えています。
オンライン診療そのものは国が指針を定めた正式な医療ですが、国民生活センターは「痩身目的のオンライン診療で処方された薬が、実は糖尿病治療薬だった」といったトラブルへの注意を呼びかけ、痩身目的での安全性・有効性は確認されていないと明記しています。
問題は「オンラインだから悪い」のではなく、十分な診察や説明がないまま、強い薬が『手軽さ』だけで広がってしまうことにあります。
加えて、美容目的の購入が増えることで、本来治療が必要な糖尿病の患者さんに薬が行き渡らなくなるという深刻な事態も起きており、厚生労働省や日本糖尿病学会、製造元の日本イーライリリーも、適正な使用を強く呼びかけています。
なお、SNSなどで個人間に売買されているものを見かけても、これは薬機法に違反する行為で、偽物や保存状態の悪い薬による健康被害のおそれもあります。
絶対に手を出さないでください。
子どもが「使いたい」と言ってきたら使えるものなの?
結論からいうと、少なくとも日本では、子どもが美容や自己判断のダイエットのために使う薬ではありません。添付文書でも「通常、成人に」用いるとされ、小児を対象とした安全性・有効性の確認は行われていないからです。
もしお子さんが「痩せたいから使いたい」と言ってきたら、頭ごなしに否定せず、まずその背景を丁寧に聞いてあげてください。
学校健診や小児科で本当に肥満を指摘されたのか、夜ふかし・朝食抜き・運動不足・ストレス・SNSの影響はないか、あるいは反対に「痩せたい気持ち」が強すぎないか。
子どもの体格は大人のBMIだけでは評価できず、成長曲線や年齢・身長に応じた「肥満度」で見ます。日本肥満学会の小児肥満症診療ガイドラインでも、成長を妨げるような極端な減量は避け、食事・運動・行動療法を基本にするとされています。
成長期の無理なダイエットは、生理不順や骨の成長への影響など、将来にわたる健康リスクにつながります。見た目への不安が強いときは、ご家庭だけで抱え込まず、小児科や思春期外来、必要に応じて心のケアの専門家につなぐことも大切です。
そのほか、知っておいてほしいこと
ひとつはお金とリスクの話です。
美容・ダイエット目的での使用は本来の目的を外れた「適応外使用」にあたります。
万が一、重い副作用が出ても、国の「医薬品副作用被害救済制度(薬の副作用による健康被害を公的に救済する制度)」の対象にならず、医療費が全額自己負担になる可能性が高くなります。
もうひとつはリバウンドの問題です。薬で無理に食事量を落とすと、脂肪だけでなく筋肉も減り、基礎代謝(じっとしていても消費されるエネルギー)が下がります。
そのため、薬をやめて食欲が戻ったとき、以前より太りやすい体質になっていてリバウンドしやすいことが分かっています。
薬は近道に見えても、使い方を誤れば遠回りになるのです。
まとめ
一言でいえば、マンジャロは「夢のやせ薬」ではなく、大人の2型糖尿病を治療するための処方薬です。確かに体重が減ることはあり、その効果は臨床試験でも確認されています。
けれど、それは適切な患者さんに、適切な説明と管理のもとで使ってこそ意味があるものです。
特に、子ども、普通体重の方、妊娠の可能性がある方、胃腸が弱い方、持病のある方が、安易に手を出してよい薬ではありません。
ご家庭でまずできるのは、食事・睡眠・運動、そしてお子さんの成長の見守り方を整えること。
そこを超える心配があるときは、早めに医療機関に相談してください。
「簡単に痩せられる」という言葉に惑わされず、正しい知識でご家族の健康を守っていきましょう。
主な出典
PMDA(医薬品医療機器総合機構)「マンジャロ皮下注 電子添文(添付文書)」
Inagaki N, et al. SURPASS J-mono試験(日本人2型糖尿病患者を対象とした第III相試験). Lancet Diabetes & Endocrinology, 2022
Jastreboff AM, et al. チルゼパチドの肥満症試験(SURMOUNT-1). New England Journal of Medicine, 2022
日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する見解」(2023年)
日本肥満学会「肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント」、および「小児肥満症診療ガイドライン」
厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」、および供給・適正使用に関する各事務連絡
国民生活センター「痩身目的のオンライン診療トラブルに関する注意喚起」
日本イーライリリー「弊社製品の適正使用に関する取り組み」
※記事執筆・校閲などで生成AIを使用しています。
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