
これからの時代の人間ドック~記憶とAIと、医師の知恵~
人間ドックというと、「中高年の人が病気を早く見つけるための検査」と思っている方が多いかもしれません。でも実は、これからの時代、人間ドックの意味が少しずつ変わってきています。
最近は、働き方も生活の仕方も人それぞれになり、健康に関する心配ごとも多様になっています。たとえば、長時間パソコンを使う仕事の人は目や肩、首に負担がかかりやすく、工場で働く人は粉じんや音、温度などの影響もあります。そうした人たちにとっては、一般的なドックよりも、その人の仕事や生活に合わせた「専門的な検査」が大切になります。
また、人間ドックは「病気があるかどうかを調べる」だけでなく、「今の健康状態を記録しておく」ことにも、とても大きな意味があります。特に目の検査では、若い頃の視神経や網膜(ものを見る部分)の形を記録しておくことで、何年か後にほんのわずかな変化に気づくことができるのです。これは、病気のごく早い段階で気づいて対処するのにとても役立ちます。
今は、スマートフォンやアプリを使って、自分の健康状態を記録できる時代です。血圧、体重、睡眠、歩数、そして目の写真や検査結果もデジタルで保存できます。そうした情報を自分で持っておくことが、将来とても大事になるかもしれません。
さらに最近では、AI(人工知能)を使って、病気を早く見つけたり、リスクを予測したりする技術も発展しています。将来的には、スマホやパソコンを使って「自分でチェックできる時代」になるとも言われています。
しかし、AIだけではカバーしきれないこともたくさんあります。たとえば、「この検査結果、ちょっと心配だけどどう判断すればいいの?」「この治療で合っているの?」というような、個人の体質や生活背景をふまえたアドバイスは、やっぱり専門の医師にしかできません。
これからの医療では、AIが診断のサポートをし、医師はその情報をもとに患者さん一人ひとりに合った『提案』をしていく役割になります。つまり、AIと人(医師)の良いところを組み合わせた新しい医療が始まろうとしているのです。
人間ドックも、ただ病気を探すものではなく、「未来の自分の健康のために記録を残す」「自分の体を知る」ことがとても大事になってきています。若いうちからの定期的な検査や記録の積み重ねは、将来の自分を守る大切な『贈りもの』になるのです。
スマホの見すぎが脳と睡眠に与える意外な影響
〜自己防衛と未来のテクノロジー〜
最近、まだ20代の若者でも「目がかすむ」「近くが見づらい」といった『老眼のような症状』を訴える人が増えています。これは「スマホ老眼」と呼ばれ、スマホやパソコンを長時間見続けることで、ピント調節の筋肉が疲れ、近くが見えづらくなる現象です。これにより、目の疲れだけでなく、頭痛・肩こり・集中力低下といった脳の疲労まで引き起こされます。
さらに問題なのが、スマホやLEDから発せられる「ブルーライト」です。強いエネルギーを持つ青い光は、網膜に負担をかけるだけでなく、夜間に浴びることで体内時計を乱し、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を妨げます。実際、ハーバード大学などの研究では、ブルーライトは睡眠の質を下げ、翌日の認知力や気分にも悪影響を及ぼすことが分かっています。
では、スマホの時代に私たちはどう対処すればいいのでしょうか?
今すぐスマホを手放すのは難しいかもしれませんが、「自己防衛」は可能です。たとえば、ブルーライトカット付きのアシストレンズや夜間モードの活用、寝る前の1時間は画面を見ない習慣など、できることから始めましょう。
さらに近年、スマホに代わる『目にやさしいツール』も登場しています。目線の先に映像を投影するスマートグラス、紙のような表示で目に優しい電子ペーパー端末、音声だけで操作できるAIアシスタントやスマートスピーカーなどは、視覚への負担を減らしつつ、情報を得ることができます。
特に、電子インクの端末はブルーライトをほぼ出さず、脳への刺激も最小限。スマホほどの便利さはないかもしれませんが、「疲れない」「眠れる」「集中できる」といった大きな利点があります。
とはいえ、今はまだ「スマホ中心の時代」がしばらく続くでしょう。でもいつか、もっと目にも脳にもやさしい技術が主役になるはずです。その日が来るまでは、自分や子どもの体を守る『スマホとの付き合い方』を身につけることが、最大の防御策です。
参考文献
Biological effects of blocking blue and other visible light on the mouse retina
Toshio Narimatsu MD, Yoko Ozawa MD PhD, Seiji Miyake PhD, Shunsuke Kubota MD PhD, Kenya Yuki MD PhD, Norihiro Nagai MD PhD, Kazuo Tsubota MD PhD
First published: 29 October 2013 https://doi.org/10.1111/ceo.12253Citations: 34
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