幼稚園の誕生日会で話した息子が産まれた日のこと。先天性心疾患をもって生まれた息子の記録。

B!

息子が通っていた幼稚園では誕生日会がありました。
その月のお誕生日の子がお母さんと一緒に舞台に立ちます。
お母さんは我が子が産まれた時の思い出の品や写真を持って行きます。
全園児の前でそれを見せながら、我が子が産まれた時の話をするというお誕生日会です。

我が家の息子は重い心臓病で産まれて1歳になるまで入院生活が続きました。
産まれた時の写真も病院のベッドの上でチューブに繋がれていて、普通の赤ちゃんとは様子が違います。
こんな写真を園児達に見せても良いものかと少し悩みましたが、子供達にもわかるように話をすることにしました。



●園児達の前で話した息子の産まれた日


これが息子が産まれた時の写真です。
写真を見ると、なんだかいっぱい色々なチューブにつながれて、痛そうに見えるんじゃないかなーと思います。
息子は心臓というところに病気を持って産まれてきました。
心臓は、こうやって触るとドキドキするところ。体で一番大事なところです。
ここが病気だったので、一人ではミルクを飲むこともできないし、息を吸うこともできませんでした。
だから、お医者さんに助けてもらわないと生きていけない赤ちゃんでした。
普通、赤ちゃんは、産まれたらママに抱っこされて、ミルクをもらって、家族のみんなに可愛がってもらって大きくなります。
でも、息子はお医者さんに助けてもらわないといけなかったので、ずーっとママやパパと離れて、病院で過ごしていました。
その間、パパとママは、みんなが毎日幼稚園の礼拝でお祈りをするように「どうか元気になってください。」とお祈りをしました。
赤ちゃんだった息子も、いっぱいいっぱい頑張りました。
そして、お医者さんや、色々な人にいっぱい助けてもらって、元気になることができました。
病気だったので、今もみんなより体が少し小さいし、まだ上手におしゃべりもできません。
でも、毎日とっても楽しく幼稚園に通っています。幼稚園が大好きです。
これからも、仲良く一緒に遊んであげてくださいね。

●お誕生日会を終えた息子の反応

息子は、息子なりに自分の体の事が少しずつわかってきているのか、自分の赤ちゃんの頃の写真を見て
「ボクね~イタイイタイした。」
と言うようになりました。
自分の体の事をわかっているのか、自分ができない事はお友達が楽しんでいてもやらないで様子を見る事ができました。例えば滑り台やうんてい等、お友達がどんどん出来るようになっても「ボクはまだちょっと出来ない。」と言ってお友達がやるのを見ながら拍手をしていました。

●お誕生日会後のお友達の反応

息子の胸と両脇には大きな手術痕があります。幼稚園のプールで裸になっても、周りのお友達は息子の傷の事を何も不思議に思うことなく、普通に受け入れてくれているようでした。
時々、私に「今もここの傷は痛いの?」とか「走っても大丈夫なの?」と聞いてくるお友達がいたりして、息子の病気の事を考えてくれているようでした。



●産まれた日はそれぞれに色々なエピソードがあります

赤ちゃんが産まれるということはとても奇跡的なことです。自分が産まれた日の話をみんなの前で披露されるという事は本人達にとっては少し照れくさいようです。でも、園児達全員にその順番がまわってくるので、みんなその日をとても楽しみいにしているようでした。
話をするお母さん達の方が感極まって涙ぐんでしまう。それをキョトンと見ている子供達。幼稚園のお誕生日会にはそんな不思議な空気が流れていました。
園児達にはまだよくわからない話かもしれません。でも、自分がどれほど望まれて産まれてきたのか、どれほど大切に育てられてきたのかという事は感じたと思います。
『産まれた日の話を聞かせてあげる』という事はとても大切なことだなと感じました。

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