【眼科医が解説】コンタクトで海やプールは大丈夫?水とレンズの注意点

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コンタクトレンズをつけたままプールはNGと聞いたけれど、どうして?必ず外す必要があるの?コンタクトの代替案や、もし付けたままプールに入ってしまったらどうすればいい?そんな疑問について、医療法人社団久視会いわみ眼科理事長岩見久司先生にお伺いしました。

夏になると、患者さんからよく聞かれる質問があります。
「コンタクトレンズをつけたままプールに入っても大丈夫ですか?」
裸眼ではほとんど見えない方にとって、「外してください」と言われても困りますよね。お子さんなら、「プールサイドが見えない方が危ないのでは?」と心配になる保護者の方もいるでしょう。
結論からいえば、コンタクトレンズはできるだけ水に触れさせないのが基本です。
ただし、必要以上に怖がる必要もありません。
大切なのは、なぜ水が問題なのかを知り、もし水に触れてしまったときにどうすればよいかを知っておくことです。

なぜ「コンタクト+水」はよくないの?

まず知っておいてほしいのは、私たちの周囲にある水は「無菌」ではないということです。
プール、海、湖はもちろん、水道水にもさまざまな微生物が存在します。

その中で眼科医が特に注意するものの一つが「アカントアメーバ」です。アカントアメーバは水や土壌など身近な環境に存在する微生物で、まれではありますが、角膜に感染すると「アカントアメーバ角膜炎」という非常に治療しにくい病気を起こすことがあります。

米国CDC(疾病対策センター)は、コンタクトレンズと水について「相性の悪い組み合わせ」として、泳ぐときだけでなく、シャワーや温泉などでもレンズを外すよう勧めています。FDA(米国食品医薬品局)も、水道水、プール、湖、海などの水にコンタクトレンズを触れさせないよう注意しています。

米国眼科学会(AAO)の角膜感染症ガイドラインでも、コンタクトレンズをつけたまま泳ぐこと、シャワーを浴びること、温泉を利用することは角膜感染症のリスクとして挙げられています。

なぜ裸眼よりコンタクト装用時の方が問題になるの?

目にはもともと、涙やまばたきによって異物を洗い流す仕組みがあります。
しかしコンタクトレンズは、角膜の上に長時間乗せて使う人工物です。レンズ表面には微生物が付着・蓄積する可能性があり、そこに水中の微生物が入り込むことで、感染症のきっかけになることがあります。

ですから、「プールの水が少し目に入ったらすぐ感染する」という話ではありません。
問題なのは、水に含まれる微生物がレンズに接触し、眼表面にとどまる機会をつくってしまうことです。
日本でも厚生労働省は、アカントアメーバ角膜炎などを防ぐため、ソフトコンタクトレンズの洗浄や保存に水道水や井戸水を使わないよう注意喚起しています。

ソフトコンタクトは、水を吸って状態が変わることも

もう一つ理由があります。
ソフトコンタクトレンズは水分を含む素材でできています。
CDCは、ソフトコンタクトレンズが水に触れると、膨らんだり形が変わったりして眼に張り付き、角膜表面に小さな傷をつける可能性があると説明しています。その傷が、微生物が侵入するきっかけになることがあります。

プール、海、温泉では、塩分や消毒成分、pHなど水質もそれぞれ異なります。ただ、医学的に最も大切なのは、「どの水なら安全か」を選ぶことではなく、コンタクトレンズをできるだけ水に触れさせないことです。

「塩素消毒されたプールなら大丈夫」ではありません

「プールは塩素消毒しているから大丈夫では?」と思うかもしれません。
しかし、消毒されたプールだから完全な無菌というわけではありません。
FDAは、プール、hot tub、湖、海でのコンタクトレンズ装用について感染症の危険性を指摘し、水泳前にレンズを外すよう勧めています。

日本国内でも、PMDAに登録されている複数のコンタクトレンズの正式な添付文書に「水泳の際はレンズをはずしてください」と明記されています。
つまり、「海外だけの厳しいルール」というわけではありません。

海や温泉ならどう?

海水にも微生物は存在するため、「塩水だから殺菌されていて安全」とは考えない方がよいでしょう。FDAも海水を含め、コンタクトレンズを水に触れさせないよう勧めています。

温泉についても考え方は同じです。
日本の温泉を名指しした国内ガイドラインは多くありませんが、「コンタクトレンズと水をできるだけ接触させない」という原則から考えれば、温泉でもレンズを外して入るのが安全です。

「プールはダメだけど温泉ならOK」と場所ごとに覚えるより、
「コンタクトレンズは水と一緒に使わない」
と覚えておく方が簡単です。

コンタクトを外したら見えない!どうすればいい?

特に近視の強いお子さんでは、裸眼のまま泳ぐことにも不安があります。
その場合、まず検討したいのが「度付きのスイミングゴーグル」です。
CDCも、コンタクトレンズを外すと十分に見えない水泳愛好者には、度付きゴーグルを選択肢として紹介しています。
眼鏡店などで相談すると、近視の程度に合わせたものを選ぶことができます。

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