子どものメンタルの悩みを相談したいけれど、精神科と心療内科があってどちらがいいのか分からない。そもそも、この2つの違いってなに?悩みの内容によって選んだ方がいいの?そんな悩みについて、さくらひだまり訪問クリニック院長の加藤久普先生にお伺いしました。

「子どもが学校に行きたがらない」「試験前になると必ずお腹が痛くなる」といった状況に直面したとき、「どこの病院へ連れて行けばいいのだろう?」と悩む親御さんは少なくありません。
その際、多くの親御さんが疑問に抱くのが「精神科と心療内科は何が違うのか?」ということです。
今回は、現役の医師としてのリアルな視点から、この2つの診療科の違いや、病院の選び方、そしてご家庭での接し方について分かりやすく解説します。
医師から見れば「精神科」も「心療内科」も実は同じ?
結論から申し上げてしまうと、実臨床の場において「精神科」と「心療内科」は、ほぼ同じものと考えていただいて差し支えありません。実際に、街のクリニックの多くは「精神科・心療内科」と両方を標榜(看板に掲げること)しています。
強いて違いを挙げるなら、片方のみを標榜している場合、若干の傾向の差があるかもしれない、という程度です。
○精神科:どちらかというと、お薬を使った「薬物療法」がメインになる傾向。
○心療内科:お薬はあくまで補助とし、精神療法や環境調整、身体疾患の影響を重視する傾向。
しかし、これもあくまで「そういった傾向があるかもしれない」というレベルのお話です。実際の治療内容は、標榜している科名ではなく「個々のドクターの考え方や治療方針」によって決まるため、精神科か心療内科かで明確に判別できるものではありません。
では、なぜ「心療内科」という言葉があるのでしょうか。
それは患者さん側の心理的なハードルに関係しています。「精神科」というワードには、どうしてもまだ抵抗感や敷居の高さを感じてしまう方が多いため、「内科」という言葉がついている「心療内科」の方が、患者さんやご家族にとって受診しやすく感じることが少なくないと思います。
お腹が痛い、憂鬱で起きられない・・・どっちを受診する?
「試験の前にお腹が痛いと頻繁に言う」「憂鬱で起き上がる気力がない」といった具体的な症状がある場合、精神科と心療内科、どちらに行けばいいのでしょうか。
これに対する答えは「どちらでも差はないので、受診しやすい方で大丈夫」です。受診して診てもらえる病気に差はありません。
こういった症状が出た場合、ご家庭でまず優先していただきたいのは「本人の気持ちに寄り添って、心理面でサポートしていくこと」です。何が子どもの負担になっているのか、症状の原因となっているストレスを特定し、可能であればそれを取り除いてあげられるよう調整を行ってみてください。
それでもなかなか改善しない場合は、お薬が効果を発揮することも多いので、受診をご検討ください。
とはいえ、「子どもへの接し方が分からない」「ストレスの原因を取り除くといっても、親としてどうしていいか分からない」と悩まれることも多いと思います。そういった「どう対応していいか分からない」というご相談のためだけでも、ぜひお気軽に精神科(または心療内科)を受診していただければと思います。
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