子どもの咳が気になる。サインと予防法についてクリニック院長の中澤先生にお伺いしました

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百日咳って冬のイメ―ジがあるけれど、春もかかるものなの?子どもだけでなく、大人も気を付けた方がいい?特に気を付けた方がいい年代は?そんな疑問について、今回はなかざわ腎泌尿器科クリニック院長、中澤佑介先生にお話を伺いました。

「百日咳」と聞くと、冬に流行する感染症というイメージを持つ方もいるかもしれません。けれども、ですが、百日咳は冬だけの病気ではありません。春から夏にかけて患者さんが増えることもあり、保育園・幼稚園・学校での集団生活が始まる春は、家庭でも気をつけたい時期です。
東京都感染症情報センターでは、2026年も百日咳の流行状況を継続して公表しており、2026年5月時点でも報告数の推移が更新されています。百日咳は2018年から、診断されたすべての患者さんを届け出る「全数把握疾患」として扱われています。つまり、国や自治体が発生状況を注意深く見ている感染症の一つです。

百日咳はどんな病気?

百日咳は、「百日咳菌」という細菌によって起こる呼吸器の感染症です。名前のとおり、長く続く咳が特徴です。厚生労働省によると、百日咳は特有の激しい咳発作を特徴とする急性の気道感染症で、子どもを中心にみられますが、大人もかかることがあります。
感染の広がり方は、主に咳やくしゃみのしぶきによる「飛沫感染」と、鼻水や痰などの分泌物が手などを介して広がる「接触感染」です。家族の中に長引く咳の人がいる場合、赤ちゃんや小さなお子さんにうつしてしまうことがあるため注意が必要です。
症状は、最初から「百日咳らしい咳」が出るとは限りません。はじめの約2週間は、鼻水、軽い咳、微熱など、かぜと見分けにくい症状で始まります。その後、咳の回数が増え、発作のように咳き込む、夜に咳が強くなる、咳き込みすぎて吐いてしまう、息を吸う時にヒューという音がする、といった症状が目立つことがあります。

特に注意したいのは赤ちゃん

百日咳で特に心配なのは、赤ちゃんの重症化です。厚生労働省は、乳児、とくに新生児や乳児期早期では重症になり、肺炎や脳症を合併し、まれに命にかかわることがあると説明しています。
また、厚生労働省の5種混合ワクチンの説明では、百日咳にかかった場合、一般に0.2%、月齢6か月以内では0.6%のお子さんが亡くなるとされ、肺炎になるお子さんも5%程度、月齢6か月以内では約12%とされています。数字だけ見ると少なく感じるかもしれませんが、赤ちゃんにとっては決して軽く考えてよい感染症ではありません。
乳児では、大人が想像するような激しい咳が目立たないこともあります。無呼吸、顔色や唇の色が悪い、母乳やミルクの飲みが悪い、ぐったりしている、けいれんのような動きがある場合は、早めに医療機関を受診してください。特に生後6か月未満の赤ちゃんでは、「咳が強くないから大丈夫」と判断しないことが大切です。

大人の百日咳は重い?それとも軽い?

「百日咳は大人の方が重いのですか?」と聞かれることがあります。一般的に、命にかかわるほど重症化しやすいのは乳児です。一方で、大人や年長児の百日咳は、熱があまり出ず、咳だけが長く続くことがあります。厚生労働省も、成人の百日咳では咳が長期にわたって続くものの、典型的な発作性の咳を示さないことがあると説明しています。
そのため、大人は自分が「かぜが長引いているだけ」と思っていても、家庭内で赤ちゃんにうつしてしまうことがあります。赤ちゃんのきょうだい、保護者、祖父母など、周囲の大人が咳エチケットを守ることは、赤ちゃんを守るためにも重要です。

家庭でできる予防は?

家庭でできる対策の基本は、手洗い、換気、咳エチケットです。咳が出る時はマスクを使う、ティッシュや肘で口と鼻を覆う、使ったティッシュはすぐに捨てて手を洗う、といった基本的な対策が役立ちます。
また、家族の誰かに長引く咳がある場合は、赤ちゃんとの密な接触をできるだけ避けましょう。特に授乳や抱っこをする人に咳がある場合は、マスクを着用し、手洗いをこまめに行うことが大切です。食器やタオルの共有を避けることも、家庭内でできる対策の一つです。
ただし、家庭での予防だけで完全に防げるわけではありません。百日咳の予防で特に大切なのがワクチンです。

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