[16]親友の彼氏|こんな形で知られたくなかった。暴かれた想いに蓋をして何もなかった日々にはもう戻れない

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前回のお話

アユさんとサユリさんは大学の同級生で親友同士。男勝りなアユさんとは対照的に、サユリさんは小柄で守ってあげたくなるような女の子で男性からの誘いも多いものの、常にアユさんを最優先にしていました。そんなアユさんでしたが、密かに想いを寄せていたタクマさんから「サユリさんとの仲を取り持ってほしい」と頼まれ、好きな人の願いに応える形で承諾。やがてサユリさんとタクマさんは恋人同士になります。思わぬ形で失恋したアユさんでしたが、その後もサユリさんとの友情は変わりませんでした。そんな時、サユリさんから旅行に誘われます。はじめは2人きりで行く予定でしたが、話を聞きつけたタクマさんから頼まれて急遽4人での旅行に変更。タクマさんそっちのけで楽しい時間を過ごしたアユさんとサユリさんでしたが、それに不満を持ったタクマさんは「サユリさんが本当に好きなのはアユさんで、恋人関係はアユさんを自分に奪われないようにするためだった」と告白します。サユリさんが自分に恋愛感情を抱いていると知ったアユさんは動揺。その場から一旦離れロッジに戻ってきたアユさんは、涙を流しながらサユリさんと出会った時のことを思い出します。ある日アユさんが歌っていると「歌声に一目惚れしちゃいました!」とサユリさんに告白され照れるアユさん。「さっきの歌、唄って欲しいなぁ」とリクエストされ、アユさんは口ずさみました。

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その後、母親になった後も正解はわからない

大学に入学してまもない頃、サークルで歌っていた私に「歌声に一目惚れしちゃった!」と私を褒めちぎってくれたのがサユリでした。照れながらもすごく嬉しくて、「さっきの歌唄って」とリクエストされ、何度も歌ったことを思い出し、そこからどんどん仲良くなっていったのでした。

「・・う・・サユリ・・」と起き上がった私は、「・・!サユリ!?」そう呟いて起き上がり、まだ部屋に帰って来ていないサユリを探しに行きました。

そして海辺を探しているとサユリの姿が見え、「サユリ・・!」そう声をかけると、海を眺めて立っているサユリが振り返り「・・アユ・・」と呟きました。

「サユリ・・」私もそう呟いて2人して向き合うも、何も言葉が出て来ず静かに立っていました。
すると、「アユ・・昨日はごめんね」サユリにそう言われ、「・・ううん」そう答えると、「・・それから・・アユがタクマのこと、好きなのに付き合って、ごめん・・」サユリの言葉を聞いてすぐには何も言えなかった私に、

「ずっと好きだった。・・アユもことが。へへ・・ごめんね・・アユに知られたらさ、嫌われちゃうと思って、だからずっと言えなくて・・でも、でも・・」サユリの声がどんどん震えてきたかと思うと、

「できれば・・っ。こんな形で知られたくなかったなあ・・」涙を流しながらそう話すサユリ。「ずっと・・前みたいにアユのそばにいたかった・・そばで・・想ってるだけで・・充分だったのに・・」そう言われて、

「サユリ・・ごめんね・・」と答えるのがやっとだった私。
このことがあってから、わたしとサユリが一緒にいることはなくなりました。恋愛感情をもって好きだと言ってくれるサユリに、わたしは友達としての好きしか返してあげられなかったから。

それから何年も経ったある日のこと。母親になった私は、今でもあの時の正解がわからずにいました。
すると、「ねー!そういえばさ~」と声がして、思わずそちらに目を向けたのでした。

タクマさんの暴露により気まずい雰囲気になってしまった2人。サユリさんは、アユさんへの想いは胸に秘め、ただただ、これまで通りの日々を送りたかったのでしょうか。そして同様にアユさんも、知ってしまった以上、うやむやにして何もなかったかのように振る舞う方がサユリさんを傷つけると考えたのか。2人は本当の親友だったからこそ、今の選択に至ったのかもしれませんよね。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:コハダさんさん

最新のコメント
  • 匚若タロ より

    ベクトルの違いがわかってしまった以上、元の関係であろうとしてもお互い随所随所で気まずくなったり心が苦しくなったりするだろうから、悲しいけど別々の道を進んだ方がいつかまた不意に会えた時笑い合えると思う

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