[25]私の居場所を奪った女|フラれた。思い込んだまま好きな人を諦め、高校を卒業した2人

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前回のお話

高校時代、両片想いだったワタルとカエデ。ところがカエデに『ワタルに近づくな』という嫌がらせの手紙が届くようになってからカエデの妹サクラが階段から不審な落ち方をしてけがをしたため、カエデはワタルと距離を置くようになりました。本当はワタルに手紙のことを相談したかったカエデですが、妹やワタルへの影響を考えると言えずにいたのです。ワタルは自分ではなく急にショウマと行動を共にするようになったカエデが付き合っているのではと言う噂を聞いて複雑な気持ちで2人を見ていました。そんなある日、ワタルのことが好きなシズクは、カエデに手紙が届いていることをワタルに伝え、自分と付き合っている噂を流そうと提案します。そうすれば両想いのカエデとワタルはまた一緒にいられるとシズクは応援しているように装い、カエデも望んでいると嘘をつきます。それからいつも一緒にいるようになったワタルとシズク。シズクはワタルと一緒にいるからなのか、嫌がらせの手紙が来るようになったと相談を持ち掛け、ワタルがそばにいてくれると言ったと嘘をつきます。一方でワタルには、ワタルに一緒にいてもらった方がいいとカエデが言ったと嘘をつきました。さらに、シズクがカエデにノートを返すからと、ワタルと一緒にカエデの家に寄るとカエデの家にショウマがいたことでワタルはショックを隠せませんでした。翌日ショウマが「シズクと付き合ってんの?」と聞いてきたので、ワタルは「それってけん制?」と冷たい態度を取ります。実はショウマはカエデの妹サクラと付き合っていて、嫌がらせの手紙の犯人を探っていることをワタルは知らないのです。

1話目から読む

もう近づかないから安心しろよ

「シズクと付き合ってんの?」カエデと毎日帰宅するようになり、カエデの家にもいたショウマに聞かれて、ワタルはムッとしました。ショウマは、カエデの妹サクラと付き合っているのだとハッキリ言いたいのですが、サクラに口止めされているので言えません。「もうカエデには近づかないから・・・安心しろよ」とワタルが言ったので、ショウマはカエデの気持ちを伝えようと「いや、カエデは・・・」言いかけたところで「ワタル?」と遮って入ってきた女子の声が。

それはシズクでした。「2人で何話してるの?」と聞かれ、「あ~・・・」と口ごもるショウタと「別に何でもないよ」と言い捨てるワタル。

さっさと階段を下りて行ってしまうワタルを、「あっワタル?待ってよ・・・」と追いかけるシズク。2人の姿を、ワタルからちゃんと聞けなかったショウマが仕方なく見送るのでした。

校庭で話すワタルとシズクの姿を、教室の窓から見た女子たちが「あの2人やっぱり付き合ってるね~」「シズクの方が大好き!って感じだけどね」と噂しているのを聞きながら、カエデは無言でワタルとシズクの様子をみていました。

ワタルがふと誰かの視線を感じ、後者に目をやりますが誰もいません。でも本当は、教室の中から見つめていたカエデがいたのでした。

この日から、カエデにもシズクにも、手紙が届くことは無くなりました。そして、彼らは卒業しました。

シズクと付き合っているわけではないと言わなかったワタル、カエデが好きなのはワタルだと伝えきれなかったショウマ。完璧なタイミングで現れたシズク。そして『付き合っている』と噂されるワタルとシズクを悲しい表情で見つめるカエデ。結局、シズクの提案通りにワタルとシズクが付き合っていると噂にはなりましたが、ワタルとカエデがまた一緒にいられるようにするところは無視されてしまいましたね。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。

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