お互いに好きと言えない微妙な関係

高校時代のカエデはかわいくて明るくてみんなの人気者でした。ワタルとも仲は良かったけれど、お互いに好意を持っているもののなんとなく言い出せない、微妙な関係でした。
「ねぇねぇ、うちの高校、学園祭の時に女子が男子のネクタイ借りるの知ってる?」とカエデはワタルに聞いてみました。内心ではドキドキしながら。

「あぁ。あれって付き合ってるって意味なの?」素直で真面目なワタルが言われて、「気になる相手に声かけるチャンス・・・?みたいなこと聞いたけど」とカエデが説明すると「へぇ。何?カエデも誰かから借りるの?」とワタル。カエデは「う~ん。貸そうかって何人かには言われたけど・・・」ワタルにははっきり言い出せず、遠回しに答えるカエデです。

照れ隠しで、カエデが「何~?もしかしてワタルのネクタイ私につけて欲しい・・・とか?」と言うと、「いや、ネクタイ無かったら可哀想かなと思って。」とワタル。「かわいそうって何それ~!」「親切心だよっ」冗談と本気の間を抜け出せない2人です。

カエデが「でも、嬉しい。ありがとね。」と恥ずかしそうな笑顔を見せると、ワタルはドキッとして(かわいいな)と心の中でつぶやいていました。

「あ・・・でも、ワタルが貸してあげたい子がいたら、そっち優先してね。」とカエデが言うと、「・・・うん、わかった」とワタルが答えて、2人は『いい感じ』のままハッキリ気持ちを伝えられずに、並んで帰宅しました。
高校時代、好きな子の気持ちもなんとなく自分に向いているのではないかと思いつつも確信は持てず、友人関係が壊れたらどうしよう、フラれたらどうしようなどと考えて気持ちを言い出せない微妙な関係ってありましたよね(笑)。今はシズクと結婚しているワタルの気持ちは、高校時代はカエデに向いていたようです。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。
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