父親が娘を思うと母親は不機嫌

夕飯の時に弟シュウトが新しいゲーム機を母におねだりしているのを聞いて、私も「電子辞書が欲しい」とお願いしました。国語辞典、古語辞典、英和辞典、英英辞典など全部持ち歩くには大変なので、ずっと欲しかったのです。でもシュウトには「しかたがないわね」と笑っていた母に、「もったいないこと言わないで」と一蹴されてしまいました。
母とのやりとりを聞いていた父が、「受験生なんだからサキの欲しいものが優先だろ?」と助け船を出してくれても「え~!ねーちゃんばっかりずるい!」とシュウトが言うと、すぐに母も「サキ買うならシュウトにも買わないと不公平じゃない?」とフォローします。

「どうして不公平になるんだ。シュウトは 勉強をもう少し頑張りなさい。」父に言われてシュウトもそれ以上は言えなくなりました。チラリと母の様子をうかがうと、不満そうに怒ったような顔。母は、父が私のことを考えてくるといつもこんな顔をするのです。

しばらく経ったある日、私がリビングで単語帳とにらめっこしていると、母のスマホが鳴りました。「えぇっ!?シュウトがケンカ!?はい!すぐ行きます!」と母は言ってすぐに出かけていきました。

その日の夕方、父にトラブルの原因を聞かれたシュウトは正直に話しました。「最近、彼女との予定がいっぱいで部活を休みがちになってて・・・そしたら先輩に怒られた。」

それを聞いて思わず「そりゃ怒られて当然じゃない?」と私が言うと、母は「反省してるのにそんなイヤミ言わなくてもいいんじゃない?シュウ君だって頑張ってるんだから。」とムキになって私に言いました。
シュウトさんのことを溺愛するお母さん。受験生のサキさんも毎日頑張っているし、部活をサボっていたシュウトさんへの公平なひと言は嫌味ではないと思いますよ。お母さんがサキさんの気持ちを少しでも分かってあげる日がきますように祈るばかりです。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:さいとうにこ
子育て、日常記録を描いています!
3児のママ
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