【前編】の話
占いの結果が良くなかったとき、どんな風にすればいい?なにか良い方法はあるのかな?そんな疑問について、一般社団法人インナークリエイティブセラピスト代表 佐藤城人さんにお答えいただきました。今回は後編です。
では、ここでもう一つ質問です。
《質問その2》
おみくじの凶、これは本当に悪いことなのでしょうか? いかがですか? お考えください。
答え合わせの前に、次の言葉をお読みください。
「運がいい人も、運が悪い人もいない。運がいいと思う人と、運が悪いと思う人がいるだけだ」(中谷彰宏さん)
この意味は、同じ出来事であっても、受け止め方次第ということです。
ここまで、凶を引いたとしても、
・そこに書かれていることを実践すれば、回避できること
・気分転換をして、今後どうすればいいのかを考えること
この2つをお伝えしてきました。まさにこれが「活用」の発想です。
確かに、おみくじには凶と表示されています。
しかし、落ち着いて見れば、凶という文字にすぎません。
その文字に対して、マイナスの意味づけをしているのは、誰なのでしょう? 中谷さんの言葉も同じことを語っています。
とかく私たちは、目の前の出来事に一喜一憂しがちです。しかし、「万事塞翁が馬」の故事を思い出してください。
※塞翁が馬 : 人生における幸不幸は予測しがたい。幸せが不幸に、不幸が幸せに転じることもある。だから安易に判断するものではない、という意味。
では、質問その2の答え合わせです。
本当に悪いことではなく、捉え方次第
これが答えです。
ここで冒頭の4択《質問その1》に戻ります。
残りの選択肢は(4)「吉が出るまで何度も続ける」これは、NG です。
吉が出るまで引きたい気持ちは十分にわかります。しかし、そのための時間とお金を考えるのならば、得策ではありません。
占いの結果が悪かったため、他の占いに頼ることはありませんか? 占いの場合、大事なのは次のどちらでしょう?
・そのアドバイスを生かすこと
・そのアドバイスを受け取ること
本来、占いは「活用するもの」です。この観点から考えるのならば、前者の方が大事です。しかし、後者を選ぶ人も多いようです。この場合、不安を回避し、安心感を得ることが目的となってしまいます。
「有名な占いの先生に見てもらえた。安心した」
「たくさんの占い師に見てもらってホッとした」これらの発言は、安心することが目的です。
しかし、安心できたのならば、次に何をしますか? 安心を得ることは、本当のゴールではないんですね。
おわりに
おみくじを例に、ここまで考えてきました。まとめです。
タロットなど「運勢」を占う場合、得られた結果について、ぜひ次の2点をお子さんやご家族で話し合ってみてください。
1.どうすれば上手くいくのか、使い方(活用法)を考えること
そのためのヒントやアドバイスを、占いは与えてくれます。
2.気分転換を図ること
自分なりの気持ちをリセットする方法。幾つか見つけてください。
そして、ドイツの詩人、シラーの言葉を引用したいと思います。
「友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする」
つらいときや悲しいとき、それを受け止めてくれる友人の存在。 有難いですよね。とかく、当たり前のことを見逃しがちな私たち。
有難いと感じられるものを探すこと。そして、それらを実感すること。これだけで十分に幸運、幸福といえるのではないでしょうか。
執筆者
佐藤城人(さとうしろと)
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会 代表
心理カウンセラー・心理セラピスト・気功師範
経歴
過去にアルコール依存症を患った経験があり、それを克服する過程で40代に再度大学に入学、心理学と出合う。
各種依存症やインナーチャイルドを抱える方、さらには摂食障害の悩みなど、これまで10年間で約5,000名様の悩みをサポート。
近年はヤングケアラーはインナーチャイルドの予備軍と位置づけ、お子さまや親御さまの支援にも力を入れている。
2019(令和元)年一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会を設立。
カウンセラー・セラピストの養成にも力を入れている。
一般社団法人インナークリエイティブセラピスト協会
https://in-ct.org/