[7]優等生の裏の顔|友達が勝手にやっただけと責任をなすりつける優等生。娘から聞いていた話と違う内容に困惑

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前回のお話

美沙さんは、中学2年生の歩実ちゃんを娘にもつ一児の母。仲のいい友達もできて、そろそろ子離れかなと思っていた矢先、歩実ちゃんがいじめられているかもしれないという疑惑が浮上します。それ以来、注意深く歩実ちゃんの様子を観察するようになった美沙さん。すると、靴が泥だらけになったいたり、体操服に穴が開いていたり、いじめの要素が続々と出てきて不安は募るばかり。そんなある日、歩実ちゃんの通学カバンの中に悪口が書かれたビリビリのノートを見つけ、美沙さんはいじめを確信します。歩実ちゃんに話を聞くと、加害者はクラスメイトの風見さんと判明。期末テストで歩実ちゃんに負けたのが悔しくて、「塾も行っていないのに成績がいいのはおかしい」と言いがかりをつけられたのがいじめの始まりだそうです。いじめは徐々にひどくなっていき、理科準備室に閉じ込められるまでになったと泣きながら話す歩実ちゃん。先生がドアを開けてくれてなんとか出られたけど、いじめについては何も聞かれなかったと言っているのを聞いて、美沙さんは風見さんだけでなく学校側の対応にも不満を感じます。その日の夜、美沙さんは夫の博之さんにいじめのことを話すと「許せない、一度きちんと話した方がいい」と大事な娘を傷つけられ怒り心頭。美沙さんは学校に連絡し、1週間後に話し合いの場を設けてもらうことにしたのでした。

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「いじめは友達が知らない間にやったこと」泣きながら主張する優等生

明らかに閉じ込められていたのに「ドアの建付けが悪かった」という一言で済ませ、それ以上踏み込もうとしない先生の対応に不満を感じた私たち夫婦。歩実のプライドもあるし、一度は静観しようと決めましたが、もう黙って見過ごすことはできませんでした。私は夫の博之と相談し、学校に連絡して話し合いの場を設けてもらうことにしたのです。

それから1週間後の話し合い当日。私たち家族は中学校の応接室へ案内されました。そこには風見さん親子、担任の水原先生、そして学年主任の先生が顔を揃えています。風見さんのお母さんは「私、仕事を抜けてきてるんで早めにお願いします」と露骨に面倒そうな態度。そんな重々しい雰囲気のなか、学年主任の先生が口を開きました。「先日は学校側の管理不行き届きがありご迷惑をおかけしました、それで・・・」

先生のいじめを濁すような言い方が気に障ったのか「管理不行き届き?違うでしょう、うちの歩実が風見さんたちに嫌がらせを受けているのが問題なんです」とハッキリ告げる博之。すると風見さんのお母さんが「ただの子ども同士の喧嘩でしょ?めんどくさ」と小さく吐き捨てるようにつぶやきました。私はその様子を見て、この話し合い上手くいくのかな・・・と不安な気持ちになります。

博之は、歩実が受けてきたいじめの数々を、ひとつずつ具体的に説明しました。そして話し終えると、担任の水原先生に視線を向け「この点、学校側は認識していましたか?」と問いかけます。しかし返ってきたのは、「その、牧野さんはあまり目立たない子なので・・・」という歯切れの悪い言葉。答えになっていない返しに、「それはうちの子が目立たないから気付かなかったという意味でしょうか?」と博之の口調が鋭くなります。

「す、すみません」と泣き出す水原先生。空気がさらに重くなる中、学年主任の先生が慌ててフォローに入り、「水原先生は担任を持つのが初めてで・・・申し訳ありません」と頭を下げます。そして視線を風見さんへ移すと、「風見さん、君からも説明してもらえるかな」と促しました。すると風見さんも、わっと声を上げて泣き出してしまいました。

なんと風見さんは、いじめは自分ではなく「友達が知らない間にやっていたこと」にすり替えようとしたのです。自分はただ負けて悔しかったと言っただけで直接手を下したわけではない、そう主張する彼女を前に、私は思わず言葉を失いました。まさかこの場に及んで、「知らなかった」でシラを切るつもりなの!?

当事者意識が欠けた母親に、話が嚙み合わない担任、そして突然泣き出し「自分は何もしていない」と責任を逃れようとする加害者。牧野さん夫婦が求めているのは、いじめの事実をきちんと認め、二度と危害を加えないと約束したうえで謝罪すること、ただそれだけです。それなのに目の前で繰り広げられる話し合いの様子を見る限り、一筋縄ではいかなそうですね。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:きちやん
人生2回目なの?と思うようなしっかり者の長女けいと、のんびりマイペースな長男ひかと、優しい夫との日々を描いてます!

最新のコメント
  • えに より

    学校は事勿れ主義ですよ
    いじめられる側にも問題があるって言い切りますからね
    私は、初めから学校は信用していなかったので、子どもが望む通りにしていましたけど、私の父は教育委員会に苦情を伝えてましたね
    学校を特定しない伝え方をしたので、全ての学校に確認があったらしく、校長と教頭、学年主任が謝りにきましたが、後が大変だったらしいです

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