[5]優等生の裏の顔|いじめの原因に唖然。娘の成績が自分より良いのが許せない

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前回のお話

美沙さんは、中学2年生の歩実ちゃんを娘にもつ一児の母。仲のいい友達もできて、そろそろ子離れかなと思っていた矢先、歩実ちゃんが膝を擦りむいて帰ってきてビックリ。本人は「転んじゃった」と言いますが、その後、乱暴に落書きされた教科書やノートを偶然見てしまった美沙さんは、歩実ちゃんがいじめに遭っているのではないかと疑います。それ以降、注意深く歩実ちゃんの様子を観察するようになった美沙さん。すると、キーホルダーがなくなったり、靴が泥だらけになったいたり、体操服に穴が開いていたり・・・いじめの要素が続々と出てきて不安は募るばかり。そんなある日、いつも帰ってくるはずの時間に歩実ちゃんが帰って来ず、不安になる美沙さん。通学路を見に行くと顔を真っ青にした歩実ちゃんを見つけます。美沙さんはすぐに歩実ちゃんを家に連れ帰り、冷えた身体を温めるためお風呂へ。その隙に歩実ちゃんの通学カバンを確認しようとファスナーを開けると、心ない悪口が殴り書かれたビリビリのノートが出てきて言葉を失います。お風呂から出てきた歩実ちゃんに「何があったのか話してくれる?」と聞くと、歩実ちゃんはしゃくりあげながら話し始めました。

1話目から読む

「自分より成績がいいのはおかしい!」変な言いがかりがいじめの発端

日が落ちきっても学校から帰ってこない歩実が心配になって通学路を探しに行くと、顔を真っ青にして身体を小刻みに震わせる歩実を見つけました。私は急いで歩実を自宅へ連れ帰ってお風呂に入れた後、いじめの事実を確かめるために通学カバンを開けました。するとそこには、心ない悪口が殴り書かれたビリビリのノートが。ショックのあまり私は言葉を失います。お風呂から上がった歩実に「何があったのか話してくれる?」と声をかけると、嗚咽交じりの声でゆっくりと話し始めました。

「ちょっと前から、風見さんたちに言われるようになってー・・・」風見さんは歩実のクラスメイトです。学級委員を任されるだけでなく、学校行事や部活動でも活躍していて、保護者の間でも優等生で有名な存在。内向的な歩実とはほとんど接点はなかったはずなのに・・・。なぜ歩実がそんな子のターゲットになるのか、私には理解できませんでした。

事の発端は、2学期の期末テストでした。歩実はテスト勉強を頑張ったこともあり、とても良い成績でした。しかし風見さんはそれをよく思わなかったのか、「そんな良い点数を取れるなんてインチキに決まっている」と言いがかりをつけられてしまったそうです。

塾に通っていない歩実が風見さんより成績が良いのはおかしい、カンニングしている、そんな言いがかりをつけられたことが、いじめの始まりだったと歩実は話します。知らない人がいる場所よりも、家で落ち着いて勉強したいという歩実本人の希望で塾に通っていないだけで、勉強量は決して少なくありません。その努力も知らずにそんなことを言うなんて・・・私は腹が立って仕方がありませんでした。

はじめは悪口を言われるだけでしたが、風見さんとその周りの子に持ち物にいたずらされたり、すれ違いざまに強くぶつかってこられたり・・・いじめは徐々にエスカレートしていったそうです。今日帰りが遅くなったのは、理科準備室で片づけをしていて閉じ込められたせいだと言います。

「閉じ込められたって・・・どうやって出てきたの?」と私が尋ねると、歩実は「たまたま見回りに来てくれた担任の先生が気づいて出してくれた、もう遅いから早く帰りなさいって」と答えました。早く帰りなさいだけで済ませるなんて、閉じ込められていた生徒への対応としてはあまりにも軽すぎます。風見さんだけでなく、先生の対応にも不満を感じざるを得ませんでした。

教室に閉じ込められていた生徒に対して、理由も聞かず「もう遅いから早く帰りなさい」とだけ告げるなんて、先生は何も疑問に思わなかったのでしょうか。たとえいじめの事実を知らなかったとしても、なぜ1人で教室にいたのかくらい確認するべきです。美沙さんが先生の対応に疑問を抱くのも、無理はありませんね。

※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:きちやん
人生2回目なの?と思うようなしっかり者の長女けいと、のんびりマイペースな長男ひかと、優しい夫との日々を描いてます!

最新のコメント
  • ご隠居 より

    先生はいじめを知っていても認めたくはないですからね。
    だから「いじり」であって「いじめ」では無いと詭弁をつかうのです、
    自分と学校の「評価」に影響するので。

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