「寄り添いすぎ」が子どもの未来を奪う?保護者に必要なのは学校に行かせる覚悟

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子どもが不登校になってしまった・・・行く気になるまでそっとしておいてもいい?そんな悩みについて医療法人藍整会 なか整形外科理事長の樋口直彦先生にご自身の経験をお話しいただきました。

今の「優しさ」が、「将来の重荷」になる

新学期、子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、どう対応するか。多くの親は、「無理しなくていいよ」「今日はお休みしようか」と声をかけるかもしれません。

この対応が間違っているとは思いません。ただしこの行動が行き過ぎた場合に危機感を感じてしまうのです。私はこうした「寄り添いすぎ」が、子どもの将来を奪うことになりかねないと強く感じています。

子どもが「嫌だ」と言えば休ませる。「つらい」と言えば避けさせる。そうした対応を続けた結果、子どもが困難を乗り越える機会を失い、「自分で立ち向かう力」が育たなくなることがあるのです。

「寄り添いすぎ」は、ただの「手放し」になることも

私の姪は、小学3年生から6年生まで不登校を経験しました。姪の母親である妹はとても優しい性格で、常に気持ちに寄り添い、受け入れる育児をしていました。ですが私は、こう伝えました。
「学校に行かないことで、一番困っているのはあなた自身だよ」
「頑張るべきなのは姪ではなく、あなたのほう」
「寄り添いすぎてはいけない。今の状況は、寄り添っているようで、実はただ手放しているだけだよ」

子どもはまだ、自分の行動の先にある未来を想像する力が未熟です。だからこそ、親がしっかりと方向を示し、逃げ道ではなく「進むべき道」を指し示す必要があります。

蹴飛ばしてでも学校に行かせる覚悟

少し乱暴に聞こえるかもしれませんが、私は「蹴飛ばしてでも学校に行かせるべき」と考えています。もちろん、これは暴力を推奨する意味ではありません。親が覚悟を持ち、強い気持ちで「学校に行くのは当たり前のこと」とブレずに示すことが大切だということです。
朝起きないなら、起こす。泣いていても、毎日送り出す。小学生のうちは、それが当たり前の生活であるべきです。親のその一貫した姿勢が、子どもにとって「逃げずに向き合う力」を育てる土台になるのです。
もしかしたら昭和の考えで時代遅れと言われるかもしれませんが親もそれだけの覚悟が必要だと伝えたいのです。

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