子どもの夜泣きと寝ぐずりで辛い。家庭でできる対策について小児科医石井先生にお伺いしました

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夜泣き、寝ぐずりが多くて辛い、どうしたらいいんだろう?相談できるところってある?そんな悩みについて、小児科専門医であることびあクリニック恵比寿院の石井知愛子先生からアドバイスをお伺いしました。

乳幼児の睡眠は、大人と比べてレム睡眠*の割合が多く、睡眠サイクルも短いため眠りが浅く、まとまって寝ることが難しいのが特徴です。
月齢によって睡眠の特徴は変化しますが、特に生後6か月〜3歳頃までは、睡眠リズムが安定せず、夜中に何度も目を覚ますことも珍しくありません。
*レム睡眠とは睡眠中に急速な眼球運動(Rapid EyeMovement,REM)がみられる状態のこと

夜泣き・寝ぐずりの原因は?

原因はさまざまです
●昼間の刺激が強すぎた
●寝る直前の環境が騒がしかった
●お腹がすいている/おむつが不快
●眠る直前までスマートフォンやテレビの光を見ていた
●成長による神経の過敏さ(乳児期には「夜泣きのピーク」があります)

実際には「原因がはっきりしない」こともありますが、ほとんどは異常ではなく、赤ちゃんが通る自然な現象です。

ご家庭でできる5つの対策

(1)生活リズムの安定を意識する
毎日同じ時間に起きて、朝日を浴びる。これだけでも体内時計が整いやすくなります。寝る前のルーティン(お風呂→歯磨き→絵本→就寝など)を繰り返すことも効果的です。

(2)入眠環境を整える
室温・湿度・明るさが子どもにとって快適かを見直してみてください。目に見えにくい「暑すぎる寝具」や「小さな音・光」も刺激になります。特に光は睡眠と覚醒のリズムに影響するので、できるだけ暗く静かな環境を用意しましょう。

(3)『泣いたらすぐ抱っこ』から一歩だけ工夫を
泣き始めたら、すぐ抱き上げず、まずはやさしい声かけや背中トントンから試してみましょう。自力で再入眠できる力を育てることにもつながります。

(4)昼間の過ごし方を整える
運動不足や刺激の少ない日中を過ごすと、夜になっても眠気が訪れにくくなります。午前中にしっかり体を動かし、午後はゆったり過ごすのが理想です。

(5)保護者自身の休息も最優先に
夜泣きに対応するには、保護者の心身の余裕が不可欠です。睡眠不足の蓄積は育児不安や産後うつの一因にもなり得ます。家族や育児支援サービス、時には専門家に頼ることも、立派な育児の一部です。

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