【6】中学校入学後に「勉強を頑張りたい!」そこにあったのは兄の存在!地方公立塾なし娘の東大合格物語|ママ広場オリジナルマンガ

前回の話
中学受験はせずに、地元の公立中学校へ進学した娘。

地方公立塾なし娘の東大合格物語【6】中学校入学後に「勉強を頑張りたい!」そこにあったのは兄の存在!


習い事のバレエを続けていたため、部活は、バレエと両立可能であることを最優先して、美術部に入りました。

両立可能であるとは言っても、やはり作品を仕上げるにあたっては妥協できませんし、バレエの発表会と学校の文化祭(美術部が忙しい時期)が重なったときは、本当に大変でした。
中学校時代は、常に「時間や体力の限界」と戦っていたような気がします。

ただ、娘には、入学したときから、明確な目標がありました。それは、「中学校では勉強を頑張る」ということでした。小学校時代に家庭学習の意義や結果の出し方をつかみ始めてはいましたが、小学校では明確な順位が出されるということがなかったため、自分の位置がよくわかっていなかったと思います。一方で、兄は中学校の最初の定期テストで学年1位を取っていたので、密かに「自分も1位というものを取ってみたい」という想いがあったようなのです。

ここから少し兄の話になりますが、息子が中学に入学したときは、運動部に入ったため、普通の部活の他に、朝練や夜錬、土日の練習や試合など、想像以上に忙しくなりすぎました。家族を巻き込んで生活をガラッと変えざるを得なかったので、このままでは小学校時代に培ってきた学習習慣がなくなってしまう、という危機感を抱きました。

そこで私は、
「最初の定期テストで学年1位を取ってみない?」
と、息子に提案したのです。
すると、「えー、無理だって!」と、即座に否定する息子。
「なんでよ?」
「だって学年270人もいるんだよ? 1位なんて、無理に決まってんじゃん。」
「何人いたって、100点取ったら1位でしょうよ。」
「あ・・・そうか。」
というやり取りをしました。
と言っても、なにがなんでも「学年1位」を取ってほしかったわけではありません。本来の目的は、あくまでも「部活の忙しさに流されて学習習慣が崩れることの回避」であり、そのために掲げる目標として、「学年1位」という記号は、息子にとって最もわかりやすいものだったのです。
全科目では無理だとしても、公立中学校の中1・1学期の中間テストでは、まだ範囲も狭いので、満点を狙うことは可能です。なので、
「狙ってみたら? きっちり計画を立てて、そのとおりにできたら、狙えると思うよ。」
と言うと、息子はちょっと目の色が変わりました。

・・・とは言っても、初めての中学校のテストで、何から始めればいいのかわからない様子だったので、一緒に範囲を確認し、提出物やプリントの量など全体量を把握してから、やるべきことを付箋に書き出し、A4の裏紙を使って2週間分のタスクリストを作りました。

そこからの2週間は、「学校のワークを1回やっただけでは、提出物としてはOKでも、満点を取るには不十分」だとか、「じゃぁ何周すればいいか」とか、「間違えた問題だけをやるようにした方が時短だ」とか、「アウトプットの練習を何回もやらないと点数には結びつかない」などなど、息子と一緒に、あぁでもない、こうでもない、と、本気で満点を狙いに行きました。

その努力が実って、息子は学年1位を取りました。初めて明確な順位がつく機会だったので、子ども達にとってもインパクトが大きかったのでしょう、息子は学年中に名前が知れ渡ってしまい、その後は順位を下げたくなくて、どんなに忙しくても勉強もあきらめない、という中学校生活になっていったのでした。
もちろん、その後は1位を取れなかったこともありましたが、大事なのは学校内順位ではなくて、「何をどのくらい、どういうふうに勉強したら、満点を狙えるか」ということを肌感覚でつかんだということと、「学年1位」というひとつの成功体験によるモチベーションの強化でした。
私も、仕事や家事、娘のバレエのサポートなどをしながら、息子のテスト勉強を見守るのは大変な部分もあったのですが、中学受験をしない中学生にとっては、中1の学習到達度はその後を左右する大きな転機だと思っていたので、「ここで上昇気流に乗せたい!」と思い、頑張りました。

長くなりましたが、娘は、そんな息子と私の中1・1学期の奮闘を「じっと見てきた」のです。
娘が幼少期から得意だった「じっと観察する」というやつです(笑)。
そして静かに「中学校では勉強を頑張る」という闘志を燃やしていたのです。

続きます

※ストーリーは実話を元にした創作マンガです。
[脚本]Maman [作画]dechi [編集・監修]ママ広場編集部

Maman
夫と大学生の息子・娘の4人家族。
学習教材制作業の傍ら、子どもの学習習慣の作り方や学習計画の立て方を伝えながら、スケジューリング(時間管理)とジャーナリング(書くこと)で幸せな親子を増やす発信を続けている。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事