前回の話
小学校3年生の時に、クラス替えがあり、新しい担任の先生との出会いがありました。
この出会いが、娘が覚醒する大きな要因となったのだと思っています。
地方公立塾なし娘の東大合格物語【4】覚醒のきっかけは小学校3年生で出会った担任の先生
新しい担任の先生は、家庭学習ノートを丁寧に見てくださる方で、コメントやスタンプで、とても上手に娘のやる気を引き出してくださいました。
初めは、先生がどんなコメントを書いてくれるかが楽しみで家庭学習を頑張っていた娘でしたが、クラスメイトの頑張った家庭学習ノートが紹介されたりすると、どんな内容を勉強したらいいのか、悩むようになってしまいました。
当時はリビングで勉強していたので、私が食事の支度をしている時などに、娘から勉強の内容を相談されることも増えていきました。
「何ページやればいいと思う?」
「〇〇ちゃんは1日で10ページもやってきたんだよ。」
「△△ちゃんは3時間も勉強して、それを最後に書いたら花丸がもらえたって言ってた。」
など、とにかく他の子の勉強量や勉強時間が気になる様子でした。
「家庭学習っていうのは、1日何ページとか、1日何時間とかではなくて、その日に習ってきたことがしっかりできるようになったかどうかで考えるものだと思うよ。先生はその日に習ったことを復習できるような宿題を出していると思うから、家庭学習は、宿題では足りていないことをやればいいんじゃない?たとえば、算数で分数を習ってきた日に、その範囲の計算ドリルが宿題になっていたとしたら、計算ドリルで間違えた問題を、家庭学習ノートに間違えなくなるまでやったら終わり、っていうふうにね。」
と答えました。
「1ページで終わっても、1時間しかやっていなくても、今日習った分数は完璧になった!と思えたならその日は終わっていいけど、2時間やっても5ページ使っても、その日に習ったことができていなかったら終われない、ということだよ。もし寝る時間になっても終わらなかったら、とりあえずその日は寝た方がいいけど、次の日、またその分数は復習しないといけないよ。とにかく、わからないことをそのままにしないようにするのが家庭学習の役割なんだから、1日何ページとか何時間、とは決められないものなんじゃないかな。」
娘は、納得半分、不安半分、というような顔をして聞いていました。
家庭学習の役割は理解できても、「じゃあ、今日は何をやればいいのか?」ということを、自分だけで決めるのはちょっと難しい、というような表情です。
なので、そこからしばらくの間は、私も一緒に教科書を見て、その日どこを習ってきたのかを確認し、その内容を娘に簡単に説明してもらうようにしました。うまく説明できないところは、理解していないか、忘れているか、またはアウトプットの訓練が足りていないかだと判断し、教科書やドリルなどの、どの部分をやればそこを勉強できるのか、一緒に考えるようにしました。
そのようにして家庭学習を継続するうちに、先生から最高評価のシールをもらえたり、娘の家庭学習が学級通信で紹介されたりすることが増え、娘も自信が持てるようになっていきました。
日によってページ数や勉強時間は違っていても、内容が充実していれば、先生にはわかるんですよね。
小学校のテストは単元ごとに行われていたので、家庭学習で定着度が上がった娘はテストでも高得点が続き、「こういうふうに勉強をすれば、わかるんだ!できるんだ!」という感覚をつかんだように感じました。
そして、自信がついた娘は、学校生活でも活発になり、学級委員長や鼓笛隊の指揮者、児童会執行部などの役職にも、少しずつチャレンジしていくようになりました。6年生の頃には、休みの日にお互いの家を行き来して遊ぶほど仲の良いお友達もできたのです。
勉強については、家庭学習の内容を決めていくのに使えるかと思い、4年生のときに初めて中高生向けのバーチカル手帳を持たせてみたのですが、まだその頃は、気が向いたときに日記のようなものを書いてみたり、シールを貼ってみたりと、いつのまにか自由帳になってしまっていましたね(笑)。
小学校3年生のときに「ぽやん」から覚醒した娘でしたが、4年生以降は、勉強と、学校のさまざまな活動や習い事との両立という、新しい課題に向き合っていくことになりました。
※ストーリーは実話を元にした創作マンガです。
[脚本]Maman [作画]dechi [編集・監修]ママ広場編集部
Maman
夫と大学生の息子・娘の4人家族。
学習教材制作業の傍ら、子どもの学習習慣の作り方や学習計画の立て方を伝えながら、スケジューリング(時間管理)とジャーナリング(書くこと)で幸せな親子を増やす発信を続けている。