年の差婚[28]失恋のショックを見せずに笑顔で去る

慌てふためく私を見た月城さんは、フッと笑って「ごめんごめん!冗談だよ。そんな困らないで」と言いました。その言葉に「あ・・はは」と笑いながらもホッとした私。なんだ・・冗談か。そうだよね。あ~ビックリした。落ち着きを取り戻した私に月城さんが「結婚とか考えてる感じなの?」と聞くので「いや、そこまでは。とりあえず半年間しっかり考えてみようと。年の差もあるし、あっちも付き合ってやっぱり・・ってこともあるかなって」と答えた私。すると「ふ~ん、でも谷口さんは好きなんでしょ?彼のこと」と月城さんがズバリと言うので、私は照れながらも「・・うん」と答えました。

その後、いつものようにご飯を食べ始めた私たち。「そっか・・あっでも今日は良かったの?二人でゴハン・・」と心配する月城さんに、私は加賀谷くんに了承を得ていることと帰りは加賀谷くんが迎えに来ることを伝えました。それを聞いた月城さんは「なるほど。警戒されてるな~僕!」と大笑い。月城さんは、加賀谷くんが心配するからと1時間で解散しようと言ってくれました。

「加賀谷くんに先に連絡しておく?」と月城さんが言ってくれたので、私は迎えに来てくれる加賀谷くんに解散時間を連絡しました。1時間後、予定通りお店を出た私たち。月城さんは通りの向こうに目を遣りました。

月城さんはお店に向かって歩いていた加賀谷くんに気付いていました。「谷口さん」と呼ばれ振り向くと、月城さんの顔がすぐ横にあってビックリ。

「半年後、もしダメになったら次は僕にもチャンス欲しいな」と私の耳元で言った月城さん。それを遠くから見ていた加賀谷くんは「!?!?!!!!」と声にならない声で大焦り。

月城さんの突然の言動に驚く私をよそに「あ、加賀谷くん着いたみたいだね」と何事もなかったかのように言った月城さんは、猛ダッシュで駆け寄ってくる加賀谷くんと顔を合わせる前に「じゃ、またね」と言って去って行きました。私は「今までありがとうございました」と感謝を伝えて見送りました。笑顔で帰って行った月城さんが「あー・・この歳の失恋は結構痛いな~」と落ち込んでいたことは誰も知りません。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。