トイレトレーニングが進まないのはうちの子だけ?タイミングや子どもの「真似力」を活用して自信につなげましょう

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なかなかタイミングが難しいトイレトレーニング。何歳くらいから?どんな風に取り組んでいけばいい?さまざまな悩みについて、臨床心理士であり、小学校教諭、保育士の資格もある一般社団法人マミリア代表理事 鎌田 怜那さんにお話いただきました。

トイレトレーニングが完了するということは、自分で自分を律することができるようになった、「自律」できたということです。

「自律」は排泄に限らず、気持ちのコントロール、食欲のコントロール、眠気のコントロール・・・など、自分の欲動や生理現象をコントロールできるスキルのことです。自分で自分のことができるのは、子どもにとっても喜びや自信につながります。

自律に関することは、初めから上手に完璧にできるわけではないです。当然ですよね。たくさんの失敗を重ね、うっかり成功、ほぼ成功・時々失敗・・・という具合に、成功と失敗をどちらも経験していることが大事になります。なので、『スムーズに』という期待はかけない方が、親のストレスは軽減するかもしれません。失敗しても仕方がないという心持ちで「次またトイレに座ってみようね」と優しく声かけができるといいですね。決して「おもらしは恥ずかしいよ」「汚い」などの声かけはしないようにしましょう。

今の子どもたちにとって、トイレトレーニングを難しくしているのは『おむつ』です。親にとっても、子どもにとっても楽で、子どもはそこまで不快感を感じません。なので、トイレまで行くのが面倒だと思うと、トイレに行く気になりません。
「自分のことは自分でする」を日常生活で意識できていれば、トイレも自然とできるようになります。

トイトレはどんな風にすればいい?

(1)ママもうんちするよ!
親もトイレで排泄していることをお子さんは知っていますか?人はトイレに行く習慣があることを知ってもらうくらいの気持ちで「トイレ行ってくる」「お腹痛いな〜トイレ行ってみよう」など独り言のように呟いて(宣言して)トイレに行くようにしてみてください。きょうだいがいない子どもにとっては、家庭内でのお手本は親しかいません。自律できるようになるには、お手本の存在がとても大事です。お子さんのトイレトレーニングが完了するまででいいので、独り言を言いながらトイレに行ってみてください。

(2)トイレが怖い子もいます
トイレをとても怖がる子もいます(特にうんちをするのが怖いようです)。自分の体の一部が落ち出て流される・・・自分も吸い込まれる・・・という世界観のようです。そのような子には、絵本でうんちの仕組み、トイレの仕組みなどを学ぶことをお勧めします。きっと、いろんなことを考えてしまうタイプなのでしょう。頭で理解してからだと、安心してできることもあります。

(3)トイレ以外のことで自律を進めてみるのも手!
トイレトレーニングは心の状態が大きく関わってきます。すでにプレッシャーを感じすぎて、トイレを拒否するような状態になっている時は、トイレに座らせることは難しいです。その場合は、トイレ以外のことで自律を進めましょう。自信を少しずつ回復したタイミングでさりげなくトイレに誘ってみてください。

(4)全ては段階、タイミング
1歳半くらいから、トイレに座らせる時間を作ってみてください。リアルごっこ遊びのように。子どもは大人の真似をするのが大好きです。おままごとやママの真似事をし始めたタイミングで「トイレに座る」もさせてみてください。1歳半くらいから、トイレに座らせる時間を作ってみてください。リアルごっこ遊びのように。子どもは大人の真似をするのが大好きです。おままごとやママの真似事をし始めたタイミングで「トイレに座る」もさせてみてください。
1歳半くらいには、尿意を感じるとおむつをパンパン叩いてみたり、困り顔のような表情を見せたりする子もいます。サインを出してくれている時には、ぜひ応じてあげてください。また、便が出そうな時もいろんなサインがありますよね(便に関しては子どもによってサインが異なり個性がでます)。「気づいたら座らせる」をこまめにしてみてください。緊張すると出ません。『うっかり成功』も体験しにくくなります。この時期は『座る』経験を楽しむことが大事。自分でトイレまで歩かせる・・・というのは、この段階では重要ではないです。ママが抱っこでトイレに駆け込む・・・など楽しいやり取りになりますよ。

2歳くらいから、トイレの声かけをしてみてください。尿意がなくても、『そんな気がしてきた・・・』というのが2歳さんです。「ママも行きたいの!先に行ってもいい?」など、行かせようとする圧をかけないようにするのがポイントです。そして『うっかり成功』した時は「出たね」とにっこり笑顔を見せてあげてください。とにかく、子どもの真似力を大いに活用してください。

トイレの自律が完了すると、幼児期の大きな一区切りとなります。この大イベントを「ママ・パパと達成した」ことが、子どもにとっては大きな支えとなり自信に繋がります。何よりも、親であるあなたにとっても、大きな達成感と親としての自信が湧いてきますよ。楽しみながら取り組みましょう!

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