女の子は特に注意!思春期の子どもは鉄分不足!?子どもの貧血の症状と対策

女性に多い悩みの一つ、貧血。
妊娠中の血液検査で指摘された方も多いのではないでしょうか?
普段は問題なくても、体や環境が大きく変わるときは、鉄不足が起こりやすいのです。
鉄分が不足しがちな時期としては、
●妊娠や授乳期間
●授乳から離乳食への切り替わり時
●食事のバランスが乱れたとき
などが考えられますが、意外と盲点なのが
思春期
です。
体が急激に大きくなるため、血液や筋肉の増加によりが必要になります。
特に女子は月経がはじまり、経血によっても鉄が失われてしまいます。
お子さんの鉄不足、大丈夫ですか?




全然足りてない! 摂取量と推奨量の比較

では、実際には鉄分の摂取は足りているのでしょうか?
それとも不足しているのでしょうか??
実際の摂取量と、推奨量を比較してみたいと思います。
まずは男の子から。

ほとんどすべての年齢で、推奨量を満たすことができていません。
10~17歳では、推奨量の70~80%程度の摂取量。
唯一クリアしているのは18歳以上のみです。
続いて、女の子を確認してみたいと思います。

女の子の方は、14歳以下は男の子同様7~8割しか摂取できていませんが、15歳以降は推奨量を満たしている……ように見えます。
ですが、この値は月経がない女の子を対象とした数値。
月経後の数値で比較すると。

なんと、月経がある女の子はすべての年代において50~60%程度しか鉄分を摂取できていないのです!
(出典:摂取量…令和元年国民健康・栄養調査結果の概要、摂取推奨量…日本人の食事摂取基準(2020年版))




鉄が不足すると、どうなる?

鉄には、酸素を細胞に運び取り入れる、成長促進や免疫への影響、細胞内でのエネルギー産生など、さまざまな働きがあります。
そのため、鉄が不足をすると、

  • 鉄欠乏性貧血
  • 思考力や集中力の低下
  • 運動機能・免疫機能の低下

などが起こると考えられます。
お子さんが、

  • 勉強や運動に集中できていない
  • 急に学力が低下した
  • 朝起きられない
  • ぼーっとしている
  • イライラしていることがある
  • ふらつきやめまいを訴える
  • しょっちゅう風邪をひく
  • 肌が荒れている、顔色が悪い、目の下にクマがある

こんなことを感じたことはありませんか?
そんな時は、お子さんの鉄がしっかり摂取できているか確認してみてください。
また、貧血状態になると冷たいものが無性に欲しくなる、氷食症(ひょうしょくしょう)が起こるといわれています。
お子さんが真夏でもないのに、氷をかじっていたり、アイスを欲しがったりするときは、鉄欠乏性貧血を疑ってもいいかもしれません。




鉄を取るにはどうすればいい?

食品に含まれる鉄には、

  • ヘム鉄:動物性食品に含まれる
  • 非ヘム鉄:植物性食品に含まれる

の2種類があります。
ヘム鉄は、非ヘム鉄の4倍ほど吸収効率がいいことが分かっています。
レバーや牛肉の赤身、マグロ、カツオ、卵、貝類(アサリ・牡蠣など)、海藻類などを積極的に摂取しましょう。
かつお節やツナ缶などを利用すると、手軽に摂取できるのでおすすめです。
ほうれん草や小松菜など、野菜から摂取する時は、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がります。
また、非ヘム鉄はお茶やコーヒーなどに含まれるタンニン、玄米などに含まれるフィチン酸、食物繊維などと一緒に摂ると吸収率が悪くなってしまいます。
効率よくしっかりと摂取するには、ヘム鉄がおすすめです。
カカオにも鉄は含まれているので、ココアやチョコレートをおやつにするのも◎。

子どもたちの、成長期の大切な体。
きちんと栄養を摂れるようにしてあげたいと思いますよね。
普段の食生活で賄えれば一番良いのかもしれませんが、忙しい現代、なかなか難しいのが現状です。
最近は、子ども向けのサプリや、鉄が追加されたおやつ・ドリンクなども販売されています。
子どもの状況や好みに合わせて、取り入れてみるのもおすすめです。

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